古沢良太脚本、主演の長澤まさみは「ダー子的には恋愛映画」

2019.5.24 19:00
(写真5枚)

長澤まさみが演じる天才的な頭脳をもつダー子ら、3人のコンフィデンスマン(信用詐欺師)が欲望にまみれた人間から大金をだまし取る痛快エンタメ作品『コンフィデンスマンJP』。手掛けるのは、『リーガルハイ』『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズなど、次々と大ヒット作を生み出してきた脚本家・古沢良太。その映画版となる『ロマンス編』が、5月17日に公開。ダー子を演じる長澤まさみ、ボクちゃん役の東出昌大、五十嵐役の小手伸也に話を訊いた。

取材/ミルクマン斉藤 写真/バンリ

「私自身、まだダー子のすべてを知らない」(長澤まさみ)

──今おこなわれたお三方の撮影を見ていても、ばっちりコンビネーションができあがってますねえ。

小手「そうですか? 本来ならここは小日向さんがいるべきなんですけど」

長澤「そんなことないよ、大丈夫!」

──小手さん演じる五十嵐は、ずっとダー子ラブですもんね。

小手「僕は常にダー子ラブですよ。ダー子ラブが大変なことになって、もう」

東出「今日も役衣装でインタビュー受けてるから、喋ってるのが小手さんなのか五十嵐なのか分からなくなっちゃう(笑)」

小手「最近、自分のなかでも同化現象が起こっていて。ちょっと長澤さんを好きになってきちゃってる」

長澤「・・・え?」

東出「なんで引く顔するかなぁ(笑)」

左から、東出昌大、長澤まさみ、ちょっと後方に小手伸也

──テレビシリーズからずっと楽しく拝見してますが、2018年のドラマのなかで一番面白かったんじゃないでしょうか?

長澤「うれしい! ありがとうございます」

──で、ドラマの最終回での予告から待ちに待った映画版です。で、ずっと気になっていたのが、「これ、どういう順番で撮っているんだろう?」ということなんです。

東出「ドラマのときは、いくつかのエピソードを同時進行で撮ってましたね」

──1話完結で、そのなかで時制の交錯、というかトリックがあって。しかも1話ごとに違う人格を演る、というただでさえ演技プランが難しい作品だと思うのですが、みなさんどうしているんですか?

東出「うーん、頑張るとしか言いようがないですよね(一同爆笑)。でも、台本を4、5冊鞄に入れて移動するというのは、連ドラのなかでも異例ですよね」

長澤「うんうん、たしかにそういう感じだったよね」

東出「古沢さんの台本が、各話ごとに起承転結が違うところにあって、かつ毎回面白くて。あまり話がゴッチャになることも、この話のどこを撮っているんだ? って困惑することもなかったですね。古沢さんの本の魅力なんじゃないかなと」

小手「確かに本に忠実に委ねていれば、特に『あれ?』っていうことはないですね。曖昧なシーンがないんですよ。ちゃんと目的意識と騙す標的が決まってて、そこに論理があるから。本の通りにやっていれば、迷うことはなかったです」

──でも、長澤さん演じるダー子さんは毎回、騙す相手も、ときには仲間まで引っかき回すじゃないですか。いわばファム・ファタルで悪女で快楽的詐欺犯という、昨今のドラマではいなかった画期的なキャラクターだと思うんです。ドラマ内において長澤さんは、もはやダー子に浸食されてるような気さえします(笑)。

長澤「いや、まだそこまでは至ってないですね。キャラクターの理解が深まれば深まるほど、より深い芝居ができると思うんですけど、そういう意味ではダー子自身の素性がまだ明かされていないので、私自身、まだダー子のすべてを知らないんです。だから、まだまだ広がっていくし、作り上げていける役だなぁとは感じています」

──そんなダー子やリチャード(小日向文世)にいじられっぱなしで、騙す役なのに騙されていたということも多いのが、東出さん演じるボクちゃん。しかもコン・マン(con man=詐欺師)なのに、それに後ろめたさを感じているという役柄です。

東出「ボクちゃんは、破天荒なキャラクターが多いなかで、一般人の感覚を唯一持っている役ですよね。みんながボケているなかで、詐欺というのは悪いことだと面と向かって言うツッコミの役なので。古沢さんの台本を読んでいるときはすごく面白いんですけれど、そのツッコミのテンポや言い回しを失敗すると、ただ台無しにしちゃうんで、ツッコミというのは難しいなと思いました(苦笑)」

左から、ボクちゃん(東出昌大)、ダー子(長澤まさみ)、リチャード(小日向文世)

映画『コンフィデンスマンJP』

2019年5月17日(金)公開
監督:田中亮
出演:長澤まさみ、東出昌大、小手伸也、小日向文世、ほか
配給:東宝

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