堀未央奈「自分を大事にして欲しい」

2019.7.3 19:00
(写真4枚)

「すべて知ってもらうことなんて不可能」(堀)

──山戸監督からも「そういう面を出して欲しい」と言われましたか?

そうですね。「過去に経験した辛いこと、苦しかったことを、どんどん作品に反映して欲しい」と言われました。山戸監督が過去を否定しない方なので、私自身もそういう要素をさらけ出すことができたんです。

──過去の辛いこと、苦しかった経験とはどういうものですか。

たとえば、乃木坂46に加入したばかりの頃、レッスンで何もできなくて、周りのメンバーに付いていけなくなって、すごく負けず嫌いなんですけど自信を失ってしまい、毎日泣いていました。あのとき経験した気持ちが作品にも出ています。あと、先ほどのお話にもつながるのですが、本当の自分とは全然違う印象で見られていたことも悩んでいました。

「全然違う印象で見られていたことも悩んでいた」と堀未央奈

──どういう見られ方をしていたんですか?

ミステリアス、不思議、何を考えているかわからない、とか言われていました。だけど、自分のことをすべて知ってもらうことなんて不可能だって気づいたんです。だから今は、ミステリアスと言われても、「アンニュイな雰囲気・表情ができているんだな」と前向きに捉えるようになりました。何事も素直に受け止められるようになりました。

──劇中では、初とその妹・茜との関係性も非常に興味深かったです。姉妹だからこそ余計に、2人が交わすセリフの行間に羨望と嫉妬の念が深く見えます。

私も4つ上の姉がいるから、初と茜の関係性がわかります。私の姉はすごくモテたんです。聞き上手で愛想も良い。でも私は自分の世界に入っちゃうタイプなので、あまり周囲の人となじめなかった。姉と私はわりと違う世界に生きていました。まったく違うタイプだったので羨ましかったけど、自分と違いすぎて理解できないことも多かった。だから喧嘩もたくさんしたけど、でもやっぱり大事な存在。まさに初と茜みたいでした。

「姉と私はわりと違う世界に生きていました」と堀未央奈

──ただ、純粋過ぎる初を見ていると、無邪気さはときとして人を傷つけてしまうものだと実感します。

そうなんです。初自身は常に一生懸命で、自分を求めてくれる人を探している。でもあまりに純粋すぎるから、知らず知らずのうちに誰かを傷つけたり、逆に傷つけられたりします。

──そうやって人は、大人になっていくものでしょうか。

人は傷ついたり、傷つけられたりして成長していくものだけど、でも何があっても「自分を大事にして欲しい」と思うんです。初のように意見をはっきり伝えられなかったり、無邪気すぎて物事がうまくいかなかったりしても、そんなに自分自身を責めないで欲しい。この映画を通して訴えたいことは、周りから何を言われても、どう思われても、「それほど気にしないように」ということなんです。私がまさにそうだったから。自分自身になにかしら嫌悪感をもっている人に響く作品だと思います。

映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』

2019年6月28日(金)公開
監督:山戸結希
出演:堀未央奈、清水尋也、板垣瑞生、間宮祥太朗
配給:東映

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本