完遂のDA PUMP、さらなる高みへ

2019.7.10 19:00

『U.S.A』で幕をあけたDA PUMPの大阪公演(7日・大阪城ホール)

(写真7枚)

初期の代表曲もリバイバル的フレッシュさを伴い、クールに響く

後半は、ムーディーなピアノ伴奏だけをバックにISSAのファルセットな歌声が映えるバラード『Stay Together』からスタート。徐々にビートやコーラス、ラップなどを加えながらメロウ路線で数曲続けて聴かせると、アース・ウインド&ファイアー『宇宙のファンタジー』を連想させる旋律を散りばめたアレンジもグッとくる名曲『if…』でメロウ・タイムを締めくくり、スクリーンに映し出された桜の映像から3月にリリースされた最新シングルの『桜』へ。

『桜』では花びらがひらひらと舞い降りる演出も(7日・大阪城ホール)

ここでジャンプやクラップなどのさまざまなムーヴを観客にレクチャーし、再び場内をダンス・モードに切り替えると、終盤はアッパーなトランス・ハウス調で盛り上げる『Do It!宙にジャンプ』から一気にテンションを上げ、タイトル通りにエモーショナルなラテン・テイストの『CORAZON』などを挟みながら本編のラストは拳を突きあげながらの重厚なファンクネスに満ちた人気曲『We Can’t Stop the Music』を。男っぽく高らかな代表曲で最後をビシッと締めた。

アンコールは、爽やかなコーラスから幕を開けるデビュー曲『Feelin’ Good』で原点を示すと、今夏に公開される『劇場版仮面ライダージオウ Over Quartzer』の主題歌でもあり、バイーン・ダンスやゾンビ・ウォークなどを盛り込んで彼らの新たな代表曲となりそうな8月リリースの最新曲『P.A.R.T.Y.~ユニバース・フェスティバル~』をイチ早くライブで披露した。

そして、最後の最後はステージを去ろうとして観客からの「エ~ッ!」という声を誘ったところで、「あと牛丼一杯くらいイケる?」「ラストはやっぱりコレでしょ? 2割くらいは気づいていると思いますが(笑)」とMCをして場内を沸かせながら、再び『U.S.A.』をファンとともに歌い上げた。

終始あついパフォーマンスが繰り広げられたステージ(7日・大阪城ホール)

振りかえってみれば、1998年におこなわれたDA PUMPにとって最初のツアーの初日を飾った「大阪城ホール」に、20年以上の時を経て再ブレイク後のツアーのファイナルとして見事に凱旋することに成功した彼らだが、会場内が良い意味で、破竹の勢いで城ホールまで登り詰めてきた新鋭グループのような雰囲気に包まれていたのが印象的だった。

初期の代表曲に聴くことができるオールドスクールなヒップホップやR&Bに通じる要素も、懐かしいというよりはリバイバル的フレッシュさを伴ってクールに響いており、DA PUMPの快進撃はむしろ始まったばかりだと確信させられる好ステージだった。

10月からは再び全国をまわるツアーが開催される(関西では神戸国際会館、オリックス劇場にて)。

取材・文/吉本秀純

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