ソニン、女性の友情を描く新作舞台に誇り
「私、女性の集団が苦手なんです」(ソニン)
──今回の作品では、柚希礼音さん演じるサラと友情で結ばれるハリエット・ファーリーをソニンさんが演じます。彼女をどう見せようとお考えですか。
今回演じるハリエットは、寄稿集の編集長もやるくらいですから、頭もすごくよくて、まとめる力も持っています。
柚希さんが演じるサラは「こうあるべきだ」と思うと文章でそれをストレートに表現し攻めていく。でもハリエットは「そっちに行かない方がいい。絶対違う方法があるはずだ」と諭す。
一見、消極的に見えるかもしれないけど、彼女には考えがあって、賢いからこそ「そこに行かない方がいい」と言う。そのあたりをうまく演じられたらと思います。
──攻めるサラに対して引き気味に見えても、実はもっと先を見つめているのだと。
そうですね。女性が声を上げること、この作品の時代はそれが許されないし、「声を上げること」=「仕事がなくなること」を意味する。それを分かっているからこそ勧めない。あの時代は許されない。「そういう時代だからこそ」という部分をうまく見せられたらと思います。
──ちなみに、ソニンさんは何か闘わなければならないというときは、声を上げる方ですか?
上げる方だと思いますけど、リーダーになるかというと分からないです。舵をとれるかというと・・・。私は割とそういう役が多いんですけど、実際はどうなんだろう。そこまで勇気あるかなとか、まとめる力があるかなと思うと、私自身にはないような気がします。
──どちらかというと、団体よりもひとりの方がお好き?
はい!(笑)。私、特に女性の集団が苦手なんです。だから女性の友だちが少ないです。男性の友だちも少ない。要は友だちが少ない(笑)。多くと戯れるのが苦手で・・・。1対1が好きなんです。
──学生の頃から?
そうかもしれない。大きい集団よりこじんまりとした側にいた気がします。この役は女性の集まりのなかでちょっと離れた位置にいるので、役としては合っているように思います。
──女性の集まりは苦手なんですね。
苦手です・・・。女性ってすごい生き物ですよね。自分で言うのもアレですけど(笑)。私はうまく対応できなくて。じゃあ、自分はどうなのかというと、自分のことはよくわかっているような気がするんですけど(笑)。
女性は繊細じゃないですか。何にスイッチが入るか分からないから、結構女性に対しては神経質になっちゃうんです。
──確かに、どこに地雷があるか分からないですよね。
人によって違うからすごく慎重になっちゃうし・・・。本当に気の合う人以外、関わらない方が無難だなと思って、会う人も決まってます(笑)。
──今回、友情や仲間という部分も描かれていますが、仲間に支えられたエピソードがあれば教えてください。
日常生活も仕事みたいなものだし、プライベートがなかなか充実しないことも多いなかで、仕事の面で気持ちが落ちることもあって。もう抜け出せないかもっていうぐらい良くないことが起きることがあるんです。そんなボロボロのときに支えてくれた仲間を思うと、ああ、友情って本当にすべてだって思いますね。
キャロル・キングの舞台『ビューティフル』をやらせていただきましたが、『You’ve Got a Friend』という曲があって、その歌詞が涙が出るほど沁みる(笑)。もう、あなたたちの前でこれを歌いたい! みたいな気持ちになって。友情ってすごく素敵だなと思います。友情はいつまでも永遠だと思いますし、友情が私のなかでいつまでもある支えのような気がします。
──そういう面で今回、友情はどう描こうと思われますか?
サラとハリエットはお互い違う性格だと思うんですけど、そこをちゃんと見せることが大切だと思います。特に女性が中心の作品は、友情をちゃんと見せてあげないといけない。
たとえば、私が大好きなミュージカルの『ウィキッド』も友情の物語。お互い全然違って、受け入れられないと思いながらも最終的にすごく感動的な友情を、そして何よりも強さでお互いを守っていく。それを見せられると、すごく感動するんですよね。
今回の作品でも女たちが男に立ち向かって、闘っていくだけじゃなくて、女性社会のなかでの友情や強さ、女性だからこそのストーリーを見せていけるんじゃないかなと思っています。
──女性の友情を中心に描いた作品もあまりないですよね。
男女の恋愛を描いたミュージカルが受けるような風潮もありますが、恋愛ばかりじゃないし、女性をフィーチャーして、そこにスポットライトを当てた作品が今後も増えていくべきだと思います。今の時点で数少ない作品のひとつになることを私も誇りに思います。
本作は19世紀半ばに女性の権利を求めて労働争議を率いたサラ・バグリー(柚希礼音)と、彼女とぶつかり合いながらも固い友情を結ぶハリエット・ファーリー(ソニン)ら、自由を求めて闘った女性たちを描いた舞台。
ブロードウェイの新進気鋭のソングライティング・コンビ、クレイトン・アイロンズ&ショーン・マホニーが音楽・詞を手がけた新作のロックミュージカルで、世界に先駆けて日本で上演される。大阪公演は10月25日から27日まで「梅田芸術劇場メインホール」(大阪市北区)にて。チケットはS席12500円ほか(発売中)。
A New Musical『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』
日程:2019年10月25日(金)〜27日(日)
会場:梅田芸術劇場メインホール(大阪市北区茶屋町19-1)
料金:S席12500円、A席10000円、B席8500円
電話:0570-200-888
A New Musical『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』
ヘアメイク/石田絵里子(AIR NOTRES )、スタイリスト/Die-co★
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