大阪市、御堂筋で休憩スペースの社会実験

2019.8.2 20:00

大阪「本町ガーデンシティ」前に設けられたパークレット「いちょうテラス本町」(1日・大阪市内)

(写真2枚)

大阪市は8月1日、御堂筋の歩道上にパークレット(休憩スペース)を設置する「御堂筋パークレット社会実験」をスタート。「本町ガーデンシティ」(大阪市中央区)前に設けられ、愛称は「いちょうテラス本町」となる。

大阪のメインストリート・御堂筋は、梅田(通称:キタ)と難波(通称:ミナミ)を一方通行で結ぶ6車線の大きな幹線道路。2017年には、商業施設「淀屋橋オドナ」前で同様の社会実験がおこなわれ、高評価を得た。

前回と大きく違う点は広告事業にチャレンジすることだ。広告収入を得て、清掃やパラソルの出し入れといった施設の維持管理費に使う。これが成功すれば将来、公共空間を使って自立的なまちづくり活動に活かすことができる。

大阪市建設局・渡瀨誠局長は、「車から人へ空間を取り戻すという発想を基本に、賑やかで御堂筋らしい風格のある街を、地元のみなさんとともに作っていきたい。今回が成功に終わればこの先にまちづくりを発展的におこなえる。気候のいい時期、ぜひ利用していただきたい」とアピール。

「御堂筋パークレット社会実験」のオープニングセレモニーの模様(1日・大阪市内)

また、国土交通省近畿地方整備局の植田雅俊部長は、「戦後、国土交通省は人や物を『自動車』を使って、大量に速く運ぶことを目的に道路整備をしてきた。今、交通網は大きく変わり、地域によって異なる道路の在り方があっていいという協議が始まっている。次の時代の道路整備の先駆けになるような実験になってほしい」と期待を寄せる。

パークレットの真裏にある御堂筋側道は将来、歩道になり、今回のようなにぎわいと憩いの空間が設置される予定。本実験は2020年1月8日までおこなわれ、「自動車」から「人」中心の道路空間へ変わる転換期となるかもしれない。

取材・写真/岡田由佳子

「御堂筋パークレット社会実験」

期間:2019年8月1日(木)〜2020年1月8日(水)
場所:大阪市中央区本町3-6-4

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