フェス主宰の小籔千豊「コヤソニは地元の居酒屋です」

2019.8.27 18:00

音楽フェス『KOYABU SONIC』主宰の吉本新喜劇座長・小籔千豊

(写真4枚)

「商品価値はゼロやった。でも、めっちゃカチンときたから、いつかやったるねんと」。今ではおなじみとなった、吉本新喜劇座長・小籔千豊が主宰する音楽フェス『KOYABU SONIC(通称:コヤソニ)』。冒頭のセリフは、小籔が起ち上げ時を振りかえって語った言葉だ。

音楽とお笑いを融合したフェスとして2008年に産声をあげ、2014年に一旦終了するも、2017年に復活。大阪ではすっかり夏フェスの定番となった『コヤソニ』について、主宰の小籔に話を訊いた。

「あちらはミシュランの三つ星、僕は地元の居酒屋」(小籔千豊)

──今年で10回目を迎える『コヤソニ』ですが、そもそもは小籔さんがレイザーラモンと組んでた音楽ユニット・ビッグポルノのイベントが発端ですよね。

そうです。新喜劇の下っ端のとき、ビッグポルノのイベントをやりたい、Tシャツを作りたいって言ったら、社員さんは「やったらええやん」って感じで。権利は吉本がもつのに、売れへんかったらお前らが損するだけや、みたいに言われて、めっちゃカチンときて。えらいナメとんなと。

だったら、このビッグポルノで1000人以上集めたるねんと。で、『サマソニ』はムリやったけど、『コヤソニ』をやろうかと。当時は新喜劇でもセリフはないし、バイトで生活してる3人やったんですけど、めっちゃ頑張りましたね。

──それが今では、関西の音楽フェスとしてすっかり定着しました。

ほんま、ありがたいことです。2008年に第1回をやることができて、あのときの悔しい思いにはリベンジできたんですけど、スチャダラパーのBOSEさんらに「また、やりや」と言っていただいて。今では街歩いてたら「新喜劇、観てます」じゃなくて、「コヤソニ行きました」って声かけてもらえるようになって。

僕の体感ですけど、喜んでいただけてるなと。それは僕の手柄じゃなくて、ミュージシャン、芸人、スタッフのみなさんのおかげですけど。

──通常、音楽フェスではヘッドライナーをはじめとするラインアップに注目が集まりがちなんですけど、『コヤソニ』はそこに重きを置いてないように思えます。小籔さんが、フェス全体の雰囲気を作り上げているというか。

そりゃレッチリ呼べるんやったらブッキングしますよ(笑)。だけど、資金力もコネクションもないので到底ムリ。よその大型フェスは高いチケット代を納得させるようなラインアップですけど、僕らはそれを真似したいわけじゃない。

あちらはミシュランの三つ星、僕は地元の居酒屋。安いのにウマい店を目指してます。たまに、Perfumeさんや、きゃりーぱみゅぱみゅさんといった高級食材が入ってきてますけど、それも正規ルートじゃなくて、人との繋がりから仕入れていて。

左上から時計回りに、きゃりーぱみゅぱみゅ、サンボマスター、Perfume、ゲスの極み乙女。

──店主の目がすべて届く範囲で、運営したいと。

そうですね。全員にご挨拶したいので、演奏後にお礼の意味も込めて、ステージに絡みに行きたいんですよね。ほんまは4つくらいステージを作った方が儲かると思うんですけど、そうなるとこっちのステージに出たら、あっちのステージに失礼やなって。

今回で言うたら、Perfumeさんのステージの裏に、今別府直之と爆乳三姉妹を出したら、客が1万人、0人、0人ってなるわけで。吉本の後輩たちも平等にオファーしてますので、そんな悲しいことが起きないようにステージはひとつにしてます。

『KOYABU SONIC 2019』

日程:2019年9月14日(土)・15日(日)・16日(祝・月)
時間:10:30〜
会場:インテックス大阪 5号館・4号館(大阪市住之江区南港北1-5-102)
料金:1日券=大人8500円、子ども2000円、ほか

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