劇作家が学長候補、兵庫に新専門職大学

2019.9.3 17:00

2021年オープン予定の「国際観光芸術専門職大学(仮称)」のチラシイメージ

(写真3枚)

2019年4月にスタートした新しい大学制度の専門職大学。そこに名乗りを上げた「国際観光芸術専門職大学(仮称)」(兵庫県豊岡市)が、演出家の平田オリザを学長候補として2021年4月開校を目指して準備を進めている。

専門職大学とは、ファッションやITなど各業界でリーダーになれる人材を育成するため、実践的な職業教育をおこなう大学制度。現在認可が下りているのは数校のみだが、同大学は今秋にも申請する予定だ。

「日本で初めて国公立大学(兵庫県立)で演劇やダンスが本格的に学べ、アートと観光を一緒に考える大学。1学年80人、全学年で320人。1年次は全寮制になり、学内には劇場やスタジオも。授業は1年間を4つの学期に分ける完全クオーター制。夏と冬にも学期があり、インターン、短期留学など、学んだことをすぐ実践で試せる」と平田は説明するが、なぜアートと観光なのか。

「諸外国では、文化観光体育部(韓国)、文化スポーツ観光省(ベトナム)など、基本的に観光政策と文化政策を一体型でおこなっているが、日本では観光庁は国土交通省、文化庁は文部科学省と違う省庁。ここの連携がとれる学生を育ててたい。文化や芸術のことがわかっている観光業者、あるいは観光の知識やマネージメントの知識を持ったアーティストを育てるのが目標」とのこと。

「オープンスペースの図書館や、150人程度入る本格的な劇場も」と学長候補の平田オリザ
「オープンスペースの図書館や、150人程度入る本格的な劇場も」と学長候補の平田オリザ

大学が置かれる豊岡市も観光課題を抱えており、「城崎温泉以外にも観光資源はありますが、いまのところ城崎に泊まった方はカニだけ食べて帰っちゃう(苦笑)」と平田。そのため今後は、海外からの観光客をターゲットに、「国際観光都市としては、昼のスポーツと夜のアートというのは必須条件となる」と、大学設置は市をあげての取り組みとなるようだ。

そのひとつとして、毎年9月には平田らが中心となって開催する『豊岡演劇祭』を予定しているという。「1年次は少なくとも期間中のボランティアは必修。運営に関わることで単位がもらえる」と、演劇祭運営の強力な助っ人としても学生に期待する。

「この演劇祭は、専門職大学のオープンキャンパスを兼ねる。実際に見ていただいて、オープンキャンパスではワークショップも体験していただければ」と平田。学生の獲得と、演劇祭の集客を一度に狙う。

「国際観光芸術専門職大学(仮称)」
住所:兵庫県豊岡市山王町
電話:078-362-3377

『第0回 豊岡演劇祭』
日程:2019年9月6日(金)〜8日(日)
会場:城崎国際アートセンター、出石永楽館
料金:1演目3000円、2演目セット5000円
電話:03-3469-9107(青年団)

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