浅野忠信も出品、10年目の六甲アート

2019.9.24 06:00

「風の教会」で展示されている、榎忠の作品。ハードな鉄の彫刻と、ミニマルな安藤忠雄建築の共演にも注目を

(写真6枚)

六甲山上を舞台におこなわれる芸術祭『六甲ミーツ・アート芸術散歩2019』。山上のさまざまな施設を散歩感覚で巡りながら、アート作品と自然を満喫できるイベントが開催中だ。

記念すべき10回目となる今年は、過去最多となる42組のアーティストが参加(招待作家27組+公募作家15組)。なかには俳優の浅野忠信、日本を代表するイラストレーター・宇野亜喜良といったビッグネームも名を連ねており、例年以上に華やかな雰囲気だ。

「六甲山カンツリーハウス」内のカンツリーグリルで展示されている、浅野忠信の作品。たくさんのドローイングを出展

浅野の作品は「六甲山カンツリーハウス」に展示されており、ラフなタッチで感性のおもむくままに描いたドローイングだ。そこには表現行為の原初が感じられる。宇野の作品は「六甲オルゴールミュージアム」で見られる。絵本『シンデレラ』のイラストをスクリーンに投影し、オルゴールの自動演奏や朗読を加えたものだ。

「風の教会」(建築家・安藤忠雄が設計)で展示をおこなっているのは、ベテラン作家の榎忠。メインの作品はエンドタブという溶接の補助板を大量に並べたもので、溶解部分がロウソクの灯りや神仏像のように見え、教会建築と絶妙のハーモニーを奏でている。また、隣接する空地ではOBI(美術家・鈴木泰人と建築家・本間智美のユニット)が大規模なインスタレーションを展開。斜面に大量の廃材を並べたもので、斜面の上から見るか下から見るかでビジュアル大きく変化し、観客を驚かせる。

ほかにも「六甲ガーデンテラス」「自然体感型展望台 六甲枝垂れ」「六甲山高山植物園」などで展示がおこなわれており、豊かな自然と森の空気を感じながらここだけのアート体験を満喫できる。期間は11月24日まで、料金は大人2200円。なお、山の天候は変化が激しいので、お出かけの際は雨具の持参をお忘れなく。

取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)

『六甲ミーツ・アート 芸術散歩2019』

期間:2019年9月13日(金)~11月24日(日) 
時間:10:00~17:00 ※会場により異なる(17:00以降も鑑賞できる作品あり) 
会場:六甲山カンツリーハウス、六甲高山植物園、六甲オルゴールミュージア
ム、風の教会、ほか7施設
料金:中学生以上2200円、4歳~小学生1100円
電話:078-891-0048(10:00~17:00・六甲ミーツ・アート 芸術散歩2019 インフォメーション)

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