新海誠監督「次の作品が撮りたい、撮りたくてしょうがない」
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興行収入130億円を突破し、公開から2カ月経った今も記録を更新し続ける新海誠監督の最新作『天気の子』。米アカデミー賞にも出品が決まった同作品だが、そこには新海監督の前作『君の名は。』に寄せられた多くの意見に対する、新海監督としての明確な答えがあった。公開中に来阪した新海監督と、主人公のひとりである少女・天野陽菜の声を好演した森七菜に話を訊いた。
取材・文/春岡勇二 写真/上地智
「セオリーに縛られて発想を狭めることを避けた」(新海監督)
──公開から2カ月近く経ったわけですが、映画のパンフレットに監督ご自身が書かれたものや、すでに世に出ているインタビュー記事なんかを読むと、そこには、前作『君の名は。』で怒った人をもっと怒らせたい、といったような挑発的ともとれる文言が並んでいます。その真意からお聞かせ願えますか。
新海「そうですね、『君の名は。』ではたくさんのご意見をいただきました。これはとてもありがたいことだと思っています。ただ、気になったのはそこに、『映画はこうあるべきだ』というご意見も多かったことです。例えば、『主題歌みたいな曲を4曲も流すのは多い』とか、『音楽が流れていても、セリフが始まったら音楽の音量を下げるのがセオリー。あれでは音楽を聴かせたいのか、セリフを聞かせたいのかわからない』とかですね」
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──たしかに、オリジナリティよりセオリーを大事にする人っていますよね。
新海「セオリーというのは、理由があってセオリーになったのだろうけど、絶対にそうしなきゃいけないものでもないだろうと。そこから外れていても、その作品ごとのやり方があっていいのではないか。僕たちもこの作品にはこの表現が最適だろうというものをずっと考えて、それを採用しているわけです。それがセオリーと違うからダメだというのはおかしいんじゃないか、という単純な反発心はありました」
──セオリー絶対主義的な考えへの反発ですね。それが今回で言うと、主人公の少年・帆高の過去があまり明かされないとか、少年の行動が社会規範よりも少女・陽菜への思いを優先させる、そんな内容につながっていっているのですね。
新海「もちろんセオリーを崩すことが、この映画の目的ではないです。セオリーに縛られて発想を狭めることは避けようとしただけで。帆高の過去についてあまり描いていないのは、そのトラウマみたいなものを物語の駆動力にはしたくなかったからです。過去の原因を究明することよりも、もうすでに走り始めていて止まらない主人公たちを描きたかったんです。それにおそらく、主人公と同世代のお客さんたちは、帆高らが法律に反した行動をとっているとは考えないと思うんです」
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──そこのところ、陽菜を演じられた森さんはどうでしたか?
森「作っているときも、完成してからも思わなかったです。公開後、そういう指摘があることを知って、初めて『そうなんだ』って思いました。ただ、帆高が車を止めながら通りを走るところは、『大丈夫?』ってドキドキしましたけど(笑)。でもそこも、帆高は周りが見えていないけど、陽菜のことだけはしっかり見えているんだなって。それがわかる表現が、あのシーンには込められていると思いました」
新海「映画のテーマはいろいろありますが、物語の主軸は『ボーイ・ミーツ・ガール』なわけで、主人公の男女はやっぱり求め合うわけです。そこの感覚は大事にしたかった。確かに帆高の行動は、社会ルールに厳格な人には許せないところもあると思うんです。厳格なことが悪いことではもちろんないですが、ただ、厳格な人の立場にばかり立ってしまうと、物語がどうしても窮屈になってしまう。だから、許せないと言う人はきっと出るだろうけど、ここは思いきってやろうと考えました」
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──森さんはオーディションで、帆高役の醍醐虎汰朗さんと一緒に選ばれたのですね。
新海「そうです。おふたりのコンビネーションがすごく良くて、醍醐くんに帆高をやってもらうなら、陽菜は森さん、森さんが陽菜なら帆高は醍醐くんでっていう感じでした。というのも、この2人がいちばん、僕に帆高と陽菜のことを教えてくれそうな気がしたんです。この2人でなければ、今のクオリティにはならなかった。最善の選択で最良の結果だったと、そこは自信を持っています」
──声をあてられているとき、新海監督はどんな様子だったですか?
森「やさしかったです。声を入れたあとに演出をしてくださるときも、嘘かもしれないけど『良かったですよ』ってひと言を最初に言ってくださるんです(笑)。だから、変にへこまずに『よし、やるぞ!』っていう気持ちになりました」
新海「いやいや、嘘じゃないよ(笑)」
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