愛希れいか「宝塚で学んだあきらめない精神」

2019.10.12 18:00
(写真4枚)

「ダンスもお芝居もなんでもできる人に」(愛希)

──そして、退団後2作目の舞台として、小説『オペラ座の怪人』をベースとした『ファントム』に出演が決まりましたね。『グランドホテル』と同じモーリー・イェストンさんが作詞・作曲された作品というのも宝塚時代からのつながりを感じます。

そうなんです! 『グランドホテル』の時にすごく素敵な曲だなと思っていたので、ご縁を感じました。ただ歌うのがとても難しかったので、もう一度勉強し直さなきゃという思いがあります。

──モーリーさんの曲の印象は?

『グランドホテル』でも感じた壮大さと、『ファントム』に関しては特に温かみを感じます。『Home』など、私が歌わせていただく曲は特に温かいなと。あとは、この時代のパリ、現代の音楽とは違った格調の高さなどを感じるので、歌い方も変えなければと思っています。役的にも、エリザベートでは自分を強く前に出す、という声の発し方を研究していましたが、今回はファントムを包み込むような歌声というのが課題だと思いますので、本番までに強化したいです。

──ファントムとクリスティーヌは最初、音楽の先生と生徒というような出会いで始まり、その後さまざまな心の触れあいがありますが、特に印象深い場面はありますか?

ファントムが作り上げた美しい森で、詩を読むシーンはとても好きです。お互いの距離がぐっと縮まり、2人が一瞬、『あ!いい感じになったのかな』と思える場面なので。その後にクリスティーヌが歌う『MY TRUE LOVE』という曲も!

──その演じられるクリスティーヌという女性についてはどのように考えておられますか?

とても芯の強い女性で、何かを信じる力、「こうだと思ったらこう!」というのが強いキャラクターだと思います。今の私の年齢(28歳)で演じるという意味では、ファントムに母性のようなものを感じていただけるようなクリスティーヌでありたいなと。

「クリスティーヌは難しいけれど、どう演じるかで作品にも深みを出せると思います」と意気込みを語る
「クリスティーヌは難しいけれど、どう演じるかで作品にも深みを出せると思います」と意気込みを語る

──ファントム(エリック)役は、加藤和樹さんと城田優さんとのダブルキャストになりますがいかがですか?

お芝居の相手が変わると受け取る感情も違うので、そこは本当に楽しみです。城田さんは以前もファントムを演じられていて、今回は演出もされるということで、この作品への想い、愛情がすごく強いと思います。ですので、城田さんが発せられるエネルギーを感じて、自分もクリスティーヌとして生きたいなと思います。加藤さんとは取材などでご一緒し、とても優しくて大らかな方という印象を受けました。でも私の(舞台での)イメージは男らしくて・・・。そんな加藤さんが作り上げられるファントムというのは、どういうふうになるのかなと、私もすごく楽しみです。

──この作品の中で描かれるファントムは、「怪人」と呼ばれるまでの生い立ちや人間性、繊細な感情も深く描かれていますからね。

今回は城田さんの初演出によって、また新しい『ファントム』が出来上がるんだろうなと、とても楽しみな気持ちでいます。クリスティーヌとして純粋さや、音楽を愛する気持ちを大切に演じたいです。

──今後、愛希さんご自身の活動としては、どのようなヴィジョンを描かれていますか?

(今年の)『エリザベート』の初日に、舞台に立つことがすごく好きなんだとあらためて感じたんです。やはり舞台はこれからも続けていきたいですし、映像のお仕事にも興味があるので挑戦してみたいです。今は「あれもしたい、これもしたい」と、いろんな方向に夢が広がっている状態です。そのなかで「これ!」というものを見つけられたら・・・。ミュージカルだけではなくお芝居もがっつりやってみたいな、とか、重い作品が続いているので明るくハッピーな作品をやってみたいなとか、色々あります。

同期がトップスターになることが決まり「ことちゃん(礼真琴)も、れい(柚香礼)も、大きな羽根を背負って大階段を降りてくるんだと思ったら、もう楽しみで。2人ともみるみる格好よくなって、なんだか信じられないです(笑)」
同期がトップスターになることが決まり「ことちゃん(礼真琴)も、れい(柚香礼)も、大きな羽根を背負って大階段を降りてくるんだと思ったら、もう楽しみで仕方ありません」

──演技だけでなく、愛希さんは表現力豊かなダンスも魅力的ですが、ダンスも続けていきたいという思いは?

はい、レッスンも続けて、ダンスもお芝居もなんでもやれる人になりたいです!

──そうやって幅広く挑戦したいと思えるのも、宝塚歌劇団で10年間、さまざまなキャリアを積まれたからこそですね。

今の私があるのはすべて宝塚のおかげです。宝塚で学んだことがたくさんありますし、今でも自分が宝塚歌劇団に入っていたのが信じられないぐらい、夢の時間だったなと思います。

ミュージカル『ファントム ~もうひとつのオペラ座の怪人~』は、11月9日(土)~12月1日(日)まで「TBS赤坂ACTシアター」(東京都港区)にて、12月7日(土)~16日(月)まで「梅田芸術劇場メインホール」(大阪市北区)にて上演。

ミュージカル『ファントム ~もうひとつのオペラ座の怪人~』

日程:2019年12月7日(土)~12月16日(月)
会場:梅田芸術劇場メインホール(大阪市北区茶屋町19-1)
料金:S席13500円、A席9000円、B席5000円
電話:06-6377-3800

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