19世紀の前衛・ラファエル前派展、開幕

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ《ムネーモシューネー(記憶の女神)》1876-81年 デラウェア美術館
1848年に英国の画学生たちが結成した芸術家集団「ラファエル前派」。その誕生から活躍、交友、共同作業、その後の展開までを紹介する『ラファエル前派の軌跡展』が、10月5日から「あべのハルカス美術館」(大阪市阿倍野区)でおこなわれる。
ラファエル前派が誕生した背景には、美術評論家ジョン・ラスキンの存在がある。彼は風景画を刷新したターナーや旧来のアカデミズムから外れた若い芸術家たちを擁護し、アーツ&クラフツ運動の芽生えを促した。

ラスキンの著作『現代画家論』に感銘を受けた若い画家たちは、当時のアカデミズムが唱えた「ラファエロ(イタリア・ルネサンスの画家)に倣うべし」という方針に反旗を翻し、「ラファエル前派」を結成。ラファエロ以前の表現に理想を見出したのだ。そして旧勢力の批判にさらされた彼らを擁護したのもまたジョン・ラスキンだった。
本展では、ラスキンが敬愛したターナーの作品に始まり、グループの主要メンバーだったロセッティとミレイ、第2世代に当たるバーン=ジョーンズ、レイトンやハントなど周縁の画家たち、装飾芸術に天賦の才を発揮したウィリアム・モリスなど、ラファエル前派の軌跡を約150作品で振りかえる。日本で彼らの作品をまとめて見る機会は貴重。大きな話題を呼ぶのは間違いないだろう。なお、大阪会場では一部の作品(約20点)が撮影OKで、これもうれしいポイントだ。期間は12月15日まで、料金は一般1500円。
文/小吹隆文(美術ライター)
『ラファエル前派の軌跡展』
期間:2019年10月5日(土)~12月15日(日)※10/7・21・28休館
時間:10:00~20:00(月土日祝は~18:00)※入館は閉館30分前まで
会場:あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16F)
料金:一般1500円、大高生1100円、中小生500円
電話:06-4399-9050
関連記事
あなたにオススメ
コラボPR
-
大阪から行く高知のおでかけ・グルメ2025最新版
NEW 2025.3.31 16:45 -
ホテルで贅沢に…大阪アフタヌーンティー2025年完全版
NEW 2025.3.31 13:00 -
大阪・関西万博の注目ニュースまとめ【2025年最新版】
NEW 2025.3.31 06:00 -
坂本龍馬の生家跡・ホテル南水、ラグジュアリーに改装[PR]
NEW 2025.3.30 07:00 -
万博迫る!大阪2カ所でオランダパビリオンお披露目[PR]
2025.3.29 18:30 -
ワインのような日本酒? 高知県に期待の新蔵が誕生[PR]
2025.3.29 07:00 -
華やかスイーツ!大阪のいちごビュッフェまとめ・2025年版
2025.3.28 16:00 -
大阪スイーツビュッフェ・リスト2025年版、ホテルで甘いものを満喫
2025.3.28 14:00 -
大阪でなぜ?KITTE高知ショップ、意外な売れ筋[PR]
2025.3.28 07:00 -
2025年は開業ラッシュ!大阪・梅田の新商業施設まとめ
2025.3.27 12:00 -
梅田、新施設ラッシュ! うめきたダンジョン攻略法[PR]
2025.3.26 07:00 -
華やかスイーツ!京都のいちごビュッフェまとめ・2025年版
2025.3.24 10:00 -
淡路島の観光&おでかけ&グルメスポット、2025年最新版
2025.3.19 10:30 -
梅田で体験…贅沢食材食べ放題×いちごヌン茶が合体[PR]
2025.3.17 17:00 -
スリコなど7店オープン、京阪シティモール最強説[PR]
2025.3.14 07:00 -
春の京都宇治は茶摘み、桜まつり…イベントたくさん[PR]
2025.3.10 15:00 -
華やかスイーツ!神戸のいちごビュッフェまとめ・2025年版
2025.3.7 14:00 -
今が旬!大阪難波であまおう苺のアフタヌーンティー[PR]
2025.3.6 17:00 -
万博まで待てない!神戸でサウジアラビアパビリオンを体験[PR]
2025.3.6 12:00 -
万博内2番目に大きなパビリオン!サウジが難波に[PR]
2025.3.5 17:00 -
高速料金が乗り放題でお得!ぐるっとドライブパス[PR]
2025.3.1 10:00