イクメン舞台に小川菜摘「母性ダダ漏れ」

2019.10.29 22:30
(写真6枚)

「あまり母性を出しちゃいけない役」(小川)

──なだぎさんは、この芝居を通して「育児って、こんなんなんや!」って驚いたことなどは、何かありましたか?

なだぎ「そら、そういうところだらけですよ。僕、基本的に赤ちゃんの人形をずっと抱いてるんですけど、だんだん抱き方がうまくなってきてる(一同笑)」

小川「もう稽古の最初の頃と、抱き方が違う。スッと左手でさり気なくお尻を支えてたりして、お母さんでしょ!!って(笑)」

男性であるが心は女性の寮母を演じるなだぎ武
男性であるが心は女性の寮母を演じるなだぎ武

なだぎ「ただ人形でも結構重いんで、やっぱりずっと抱いてると腰が凝ってくるんです。『実際のお母さん、本当に大変やなあ』みたいなところに気付かされるので、本当に母親に対してやさしくなります(一同笑)。『なんであのとき、口答えしたんやろう?』って、本当に親の気持ちを知るというところはありますよね」

──小川さんは2人のお子さんを育てていますが、やはりその経験を活かされてますか?

小川「あ、それは逆です。今回は、あまり母性を出しちゃいけない役なんですよ。だから稽古では、べっちに『お母さんが出ちゃってますよ』って、よく注意されます」

ベーシストのハマ・オカモトを長男に2人の子どもを育てた小川菜摘
ベーシストのハマ・オカモトを長男に2人の子どもを育てた小川菜摘

岡部「とはいえ、それがまったくないのもダメなんです。隠してるけど知らずしらずにじみ出る、母性のエキスみたいなものを感じ取りたい。そうして隠してきたことが、最後の最後でカチッとはまったときに『おっ!』と思うんです。やっぱりラストシーンの稽古では『菜摘さんにお願いして良かった』と思う瞬間がすごくあります」

小川「だから子どもがいるいない関係なく、女性が誰しも持ってる母性みたいな部分をうまくにじみ出すことが、今の課題です。でも今回、若い子たちがワチャワチャと子育ての練習をしている姿を見ていると、自分も無我夢中で育児をして、大変だったけど楽しかったな・・・って、俯瞰する瞬間がやっぱりあります。それでジーンとしちゃうんですよね、すごく」

──で、思わず母性がダダ漏れしてしまうと。

「女性が誰しも持ってる母性みたいな部分をうまくにじみ出すことが課題」と小川菜摘
「女性が誰しも持ってる母性みたいな部分をうまくにじみ出すことが課題」と小川菜摘

小川「自分がしゃべってない間は、つい親の目になっちゃうんですよねえ(苦笑)」

岡部「でも実際今回は、子育てというより『親』の話という感じです。昨今、『子どもがいない人にはわからない』という言葉が蔓延してて・・・。確かにそういうケースもあると思うけど、一概には言えないんだってことを浮かび上がらせたい、という思いはあります」

小川「会社の上司と部下とか、先生や生徒とかでも、親子に近い関係っていっぱいあるしね」

岡部「そうですね。昔は本当に、男性が育児をすることの面白さだけで書いた本だったけど、親を思うみたいなところが強くなったのは、私も年を重ねたからかなあと思います(笑)」

大阪公演は10月30日から11月5日まで、「HEP HALL」(大阪市北区)にて。チケットは一般4000円、22歳以下3500円、高校生以下2000円で発売中。当日券あり。

舞台 空晴プロデュース『ボクのサンキュウ。』

日程:2019年10月30日(水)〜11月5日(火)
会場:HEP HALL(大阪市北区角田町5-15 HEP FIVE 8F)
料金:一般4000円、22歳以下3500円、高校生以下2000円(当日はそれぞれ500円増)
電話:070-1773-3232(空晴)

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