統廃合で閉校された小学校、森の施設へ

2019.11.21 10:00

2015年3月に、141年の歴史に幕を下ろした「湊山小学校」(2016年12月)

(写真4枚)

児童の減少により統廃合され、使われなくなった小学校跡地。神戸市が、その跡地を活用したプロジェクトに着手したと、11月20日の市長定例会見で発表した。

そのひとつ、100年以上の歴史がある「旧湊山小学校」(神戸市兵庫区)は、近隣4校の統合により2015年3月に閉校。平安時代に京都から福原京(現在の神戸)に都を移した平清盛の邸宅「雪見御所」があった場所で、戦災や阪神淡路大震災の被害も比較的少なく、昔ながらの街並みが残る地域だ。

ところが最近、空き家になった場所に新築住宅が増え、子どもの数も回復傾向に。神戸市が若い家族をさらに呼び込む目的で公募した今回のプロジェクトにより、森と緑をコンセプトにした複合施設「FOREST CAMPUS」に生まれ変わる。

湊山小学校跡地に新しくできる「FOREST CAMPUS」のイメージ図。レストランや診療所など、地域のつながりを生み出す拠点として期待される 提供:神戸市
湊山小学校跡地に新しくできる「FOREST CAMPUS」のイメージ図。レストランや診療所など、地域のつながりを生み出す拠点として期待される 提供:神戸市

敷地の中央に森の広場を配置し、カフェやレストラン、グリーンショップに加え、旧校舎を活用した保育園や診療所、薬局を整備。久元喜造市長は、「旧湊山小学校は幹線道路と大きな交差点に面していて、地域の新しい拠点になりそう。こうした事業で人口減少に歯止めをかけられればと思うし、今後も行政施設の跡地の有効活用を進めたい」と話した。

ほかにも「旧雲雀丘(ひばりがおか)小学校」(神戸市長田区)は、特別養護老人ホームへ転身。こちらも施設の一部は地域住民に開放し、入居者と住民の交流で地域の活性化を目指すという。どちらの事業も、2022年度の運営開始を予定している。

取材・文・写真/合楽仁美

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