神戸の美術家組織が、活動25周年記念展

2019.12.12 07:00

左から、石原友明作品、矢野衣美作品、河合美和作品、榎忠作品

(写真5枚)

1994年に神戸で発足した美術家の組織「C.A.P.(芸術と計画会議)」。その活動が25周年を迎えたことを記念して、彼らの拠点である「KOBE STUDIO Y3」(神戸市中央区)で『私と私たち』展が2020年1月26日まで、おこなわれている。

C.A.P.発足時の活動は、「これからの美術館」を神戸市に提案することだった。阪神・淡路大震災が起こった翌1995年から、『CAPARTY』と題した美術イベントを神戸市中心部で開催(第1回はフランスとスイスからの震災義援金でおこなわれたことを忘れてはならない)。1999年には日本からブラジルへの移民を送り出す施設だった「旧国立移民収容所」で『CAPARTY Vol.8』を開催したが、この場所は現在「海外移住と文化の交流センター」となり、同時に『KOBE STUDIO Y3』としてC.A.P.の活動拠点になっている。

まえしま須美作品(手前)、衣川泰典作品(中左)、杉山知子作品(中右)、島村薫作品(奥)

その後も彼らは『神戸文化祭『』(2013年~)や、海外のアートセンターとの交流事業『See Saw Seeds』(2016年~)など多彩な催しをおこなっている。そして25周年を迎えた今年、現在のメンバーだけでなく、かつてC.A.P.に参加していた作家なども加えた48組が集結。2フロアからなる会場全体を使って25周年を記念する展覧会をおこなっている。

作家はベテランから若手まで幅広く、ジャンルも絵画、立体、映像など多彩。その多くが神戸を拠点とする作家であり、現在の神戸アートシーンを窺う意味でも興味深い。また、「KOBE STUDIO Y3」には多数のアーティストがアトリエを構えており、それらの見学も可能だ。入場無料。

取材・写真/小吹隆文(美術ライター)

「私と私たち」展

期間:2019年12月7日(土)~2020年1月26日(日)※月曜&12/29~1/3休(1/13開館、1/14休館)
時間:10:00~19:00(最終日~17:00) 
会場:KOBE STUDIO Y3(神戸市中央区山本通3-19-8 海外移住と文化のセンター内)
料金:無料
電話:078-222-1003

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