市川右團次、ラグビーW杯の連獅子を再び

2019.12.14 09:00

息子・右近との共演に「親バカかもしれないけど、打てば響いてくれる」と目を細める市川右團次(12月13日・大阪市内)

(写真1枚)

2019年の『ラグビーW杯』の開幕式で、息子・市川右近とともに『連獅子』の一部を披露して話題となった、大阪出身の歌舞伎俳優・三代目市川右團次。来春の歌舞伎舞踊公演『伝統芸能 華の舞』で、その『連獅子』をフルバージョンで上演する右團次が13日、大阪で会見をおこなった。

『連獅子』は、「獅子は我が子を千尋の谷に落とす」という故事を元にした、勇壮な歌舞伎舞踊。W杯の話が来た際、「せがれはまだ9歳なので、ちょっと無理じゃないかと思った」と右團次は振りかえる。

しかし、「親子でやるからこそ『連獅子』の本質を、世界の人にわかっていただける」と考えて承諾。1カ月集中的に指導した結果、「親バカかもしれないけど、打てば響いてくれるので『これ、行けそうやな』と思いました」と、フルバージョンに挑むことを決めたという。

紅白の大きな鬘をかぶった獅子の「毛振り」の舞が、歌舞伎ファン以外にもよく知られる同作品。しかしフルバージョンは導入部に狂言もあり、「前半と後半では、全然違った人間を演じるのが難しい」と、右團次は言う。

「全編通してつとめさせていただくのは、多分せがれが(歌舞伎界で)最年少。獅子はわざと子どもを谷に突き落とすけど、そこには『登ってきてほしい』という思いがなくてはならないし、愛情で突き落とすんだと思います。僕も、本当にできるかどうかわからないせがれを、谷に突き落としたところがあるけれど、登ってきてくれるよう祈ってます」と親心を見せた。

『連獅子』以外には、花街の華やかな風景を見せる『吉原雀』と、恋人と死別した男が彼女とつかの間の再開を果たす『二人椀久』の2演目を上演(右團次出演は『連獅子』のみ)。公演は3月14日に「COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール」(大阪市中央区)にて。チケットは7500円で、2020年1月19日から発売。

取材・文・写真/吉永美和子

日時:2020年3月14日(土)・13:30〜/17:00〜
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール(大阪市中央区大阪城3-6)
料金:7500円(全席指定)
電話:0570-200-888
チケットは2020年1月19日(日)に発売

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