ホラー映画の金字塔、幻の日本版が復活

2019.12.14 21:30

1978年にイタリアで公開された『ゾンビ』

(写真2枚)

ホラー映画の金字塔といわれるジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』が12月13日、日本初公開復元版を「シネ・リーブル梅田」(大阪市北区)で公開をスタート。同日に記念イベントをおこなった。

『ゾンビ』(原題:Dawn of the Dead)の日本公開40周年を記念して今回の企画が実現。映画評論家のミルクマン斉藤さんと、「国際ファッション専門職大学」でホラー映画史を研究する福田安佐子先生が、映画のごとく真っ青なゾンビメイクで登壇し、作品や考察、映画史について語った。

ゾンビの青色メイクについて、当時の特殊メイク技術の状況を踏まえた上で福田先生は、「映画『マーティン/呪われた吸血少年』(1977)では女の人が海藻の青いパックで出てきて驚くシーンがあったり、『ゾンビ』で当時アメリカで流行った宗教ハレ・クリシュナ教団が登場するのですが、インドの神様の「クリシュナ」は、顔が青かったり。ロメロのフェチなんじゃないかと思った」と考察を披露。

左からミルクマン斉藤さん、福田安佐子先生
左からミルクマン斉藤さん、福田安佐子先生

また、ミルクマン斉藤さんは「この映画で面白いのは、巨大ショッピングモールにゾンビが集まること。当時は用事もないのにみんな行くみたいな背景があり、死んでも習慣になってしまっていることを描いている。映画がつくられた時代や社会をどう見るかというところ」と魅力を語った。

同作は、米国劇場版、ディレクターズ・カット版などがあり、今回の日本劇場公開版は幻といわれているバージョン。「グロテスクなシーンが少々カットされていて、ホラー好きもちょっと苦手な人も楽しめる、ちょうど良いグロさ」(福田先生)。また、今回の復元版はDVDやブルーレイディスクの販売が予定されていないため「見ておかないと一生見れないかもしれない」(ミルクマン斉藤)と、鑑賞を勧めた。

今後、関西では12月21日から「京都シネマ」(京都市下京区)、2020年1月1日から「元町映画館」(神戸市中央区)でも公開予定。

『ゾンビ-日本初公開復元版-』

2019年12月13日(金)公開・シネ・リーブル梅田(大阪市北区大淀中1-188 梅田スカイビルタワー イースト)
2019年12月21日(土)公開・京都シネマ(京都市下京区水銀屋町620 COCON KARASUMA3F)
2020年1月1日(祝・水)公開・元町映画館(神戸市中央区元町通4-1-12)

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