ミルクボーイ「僕らは苦節12年じゃない」

2019.12.19 22:00
(写真6枚)

「角刈りも筋肉もネタではいじらない」(内海)

──角刈りキャラは、そのあたりから?

内海「昔は襟足も長くして、かわいらしくしていたんですが、2014年に漫才の賞レースでまさかの1回戦落ちをして。その日の夜に、だれにも言わずに髪を剃りました。本気で漫才をやろうと決めたとき、衣装もダブルのスーツを誂えたんです。角刈りにしているのは、ダブルのスーツに合うから。先輩に、見た目で笑いを取ろうとしているのかと言われたことも。でも、ネタでは一切、角刈りについては触れたことないんです」

駒場「僕は体を鍛えているので、タンクトップ1枚になって筋肉キャラでやれとアドバイスされるけど、僕は1人の人間としてトレーニングしているだけ。芸人としてプラスになるためにやっているわけじゃないから、筋肉を面白くできる術がない。筋肉芸人なかやまきんに君さんは、もう存在自体が面白いから成立するんです」

劇場やテレビへの出演も急増しているミルクボーイ。「暗黒時代にお世話になった先輩たちと、淡路島じゃなくて今はテレビ局で会えるのがうれしい」(駒場)
劇場やテレビへの出演も急増しているミルクボーイ。「暗黒時代にお世話になった先輩たちと、淡路島じゃなくて今はテレビ局で会えるのがうれしい」(駒場)

──なるほど!強すぎる個性をあえてスルーしているのには、そんな理由が。今年、大躍進できたのはなぜだと思いますか?

内海「今年が一番がんばったというだけ。あと、ギャンブルやめました!だから、お金が急激になくなるというストレスもなくなって。今は、舞台とネタ合わせと生活のためのバイト、この3つだけ。遊びにもいっていない。2人の生活リズムを合わせ、11時から17時までバイトして、大国町の『珈琲館サモア』に集合して18時から22時まででネタ合わせして帰って寝るだけですから。ネタのこと話せるかな~っと、同じバイトもしてますが、めちゃ厳しいところで」

駒場「私語厳禁!って張り紙に書かれている(笑)。今は、ネタ合わせが終わったあとでも、思いついたツッコミをLINEで送ったりして」

内海「ボケも送るけど、おもしろくなかったら、ええなぁって言葉だけ返ってくるので、相手より上回るボケやツッコミを必死で考えますね。密なやりとりをするから、ネタが研ぎ澄まされてくるし、精度があがったのかな」

今年は『第8回関西園芸しゃべくり話芸大賞』グランプリ受賞するなど、勢いに乗るミルクボーイ。記念の盾は、サモアに寄贈。ママさんのゴルフコンペのトロフィーの横で輝く
今年は『第8回関西演芸しゃべくり話芸大賞』グランプリ受賞するなど、勢いに乗るミルクボーイ。記念の盾は、「珈琲館サモア」に寄贈。ママさんのゴルフコンペのトロフィーの横で輝く

──最後に『M-1』に向けての意気込みと、ライバルを教えてください。

内海「夢みたい。テレビで見るもんやと思っていた『M-1』に出るんやって」

駒場「『M-1』ってほんまにあるんや!って」

内海「あるよ(笑)。去年なんて、三回戦から準決勝の間は舞台に立てなくて、ネタを試すところがなかった。今年は、決勝進出が決まってから、追加でどんどん舞台にも立たせてもらえている。今までは漫才する機会が少なくて緊張していたけど、やっと漫才に慣れた気がします」

駒場「あと、この人たちには勝ちたいと思っているのは、かまいたちさんです」

内海「今回みたいに、先輩の胸を借りられる機会はなかなかない。一緒に決勝に出ることができるのは、本当にうれしいですね」

ABCテレビ『M-1グランプリ2019』

放送:2019年12月22日(日)・18:34〜

ABCテレビ『M-1グランプリ2019』

「よしもと漫才劇場」

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