イタリアの天才画家、カラヴァッジョ展

2019.12.23 08:00

《リュート弾き》1596~97年頃 個人蔵

(写真5枚)

イタリアが誇る天才画家、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571~1610)の展覧会が、「あべのハルカス美術館」(大阪市阿倍野区)で、12月26日からおこなわれる。

彼の作品約10点(帰属作品を含む)に、同時代の画家や追随者の作品を合わせた計約40点が展示される。ミラノで生まれ、13歳から画家修業を開始したカラヴァッジョ。20代でローマに出て、いくつもの宗教画を手がけるなど成功を収める。しかし、生来の放蕩者だった彼の周囲には暴力沙汰が絶えない。35歳の時にはついに殺人事件を犯し、実質的な死刑宣告を受けてしまった。

《法悦のマグダラのマリア》1606年 個人蔵

ローマから逃亡した彼は、ナポリ、マルタ島、シチリア島など南イタリアを転々とし、地元の画家たちに大きな影響を与えた。そうした追随者を「カラヴァッジェスキ」と呼ぶ。そして1610年、恩赦を求めてローマに旅立ったが、旅の途中で熱病により没した。わずか38年の短い生涯だった。

カラヴァッジョ作品の特徴は、光と闇の強烈なコントラストと、圧倒的なリアリズムにある。先に述べたカラヴァッジェスキはもちろん、西洋絵画全般にも大きな影響を与え、その名声は現代にも受け継がれている。日本でカラヴァッジョ作品を見る機会は少なく、本展はきわめて貴重な機会。今年最後、あるいは2020年最初のアート鑑賞にふさわしい展覧会と言えるだろう。期間は2020年2月16日まで、料金は一般1600円ほか。

文/小吹隆文(美術ライター)

『カラヴァッジョ展』

期間:2019年12月26日(木)~2020年2月16日(日)※12/31・1/1・14休
時間:火曜~金曜10:00~20:00(月土日祝は~18:00)※入館は閉館30分前まで 
会場:あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16F)
料金:一般1600円、大高生1200円、中小生600円
電話:06-4399-9050

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