JR銀河、鉄道旅ならではのおもてなし

2020.1.27 13:00

目的がすべて違う全6車両には、食堂車両は存在しない(1月25日・吹田市)

(写真5枚)

関西から中国地方へ、5月8日より運行を予定しているJR西日本の長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」。最長12時間かけて移動する鉄道旅ならではの、サービスや娯楽についても明かされた。

始発の京都駅から21時頃出発し、終点の出雲市には翌朝9時半頃に到着する予定の「銀河」。途中で最長40分停車する駅もあり、時間的に決して効率は良くない。

しかも、気軽に利用できる価格設定を実現するため、食堂車はもちろん、車内販売もないという。だがそれを逆手に取り、停車駅ごとに趣向を凝らした「おもてなし」をおこなうそうだ。

関西から出雲方面の場合、翌朝6時頃から山陰線の主要駅に停車するが、その停車時間中には、地域の伝統芸能によるお出迎えや、車内外で特産品の販売がおこなわれる予定。

生山駅では朝食用のフレッシュジュースの販売、安来駅では「どじょうすくい」の踊りなど、過去の観光列車で実施された企画を中心に調整中だという。

「長時間ご利用いただくと、ちょっと外(駅構内)に出たくなると思われるので、その意味でも停車時間を長めに取っています。地元の方々とふれ合うことも出来るので、そんなところも新しい乗車体験になるのでは」と、営業本部担当部長の財剛啓(ざい・たけひろ)さん。

4号車「遊星」の車内には、ボードゲームのできるテーブルが設置されている(1月25日・吹田市)
4号車「遊星」の車内には、ボードゲームのできるテーブルが設置されている(1月25日・吹田市)

また、下車できない区間でも乗客が飽きずに滞在できるよう、フリースペース車両「遊星」には、オセロなどのボードゲームを楽しめるテーブルを設置。友人とはもちろん、見知らぬ乗客同士のふれ合いにも一役買いそうだ。

「銀河」の運行は、京都・大阪~出雲市(5月~9月)と大阪~下関(10月~2021年3月)で、前期は夜行特急、後期は昼行特急として、週2往復ほど運行する予定。特急・グリーン料金は現行の料金と同額で、グリーン個室料金は通常期の場合、大阪~出雲市で7240円(別途要運賃)の予定。

取材・文・写真/吉永美和子

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