特別区の名称に東京から反対意見、今後の対応に大阪は?

2020.2.21 19:00

大阪市北区にある「大阪市役所」

(写真1枚)

大阪都構想が実現した場合、特別区のなかに「北区」「中央区」ができることに反対意見があるという報道を受けて2月20日、大阪市の松井一郎市長は「大阪市としても長い歴史のなかで親しんだ名前として判断する」と語った。

大阪市都構想が実現すると、特別区として「北区」「中央区」「天王寺区」「淀川区」の4区に分割。現在の特別区は東京都23区のことで、そのうち「北」と「中央」は名前が同じになる。

これにより大阪が配慮しなければならないのは、1970年に総務省が全国に通達した自治事務次官通知。これは、「既存の市の名称と同一となり、又は類似することとならないよう十分配慮すること」と示されている。

このことについて同日、大阪市の担当者に確認すると「この通達は現在も生きているため、東京都中央区と北区に名称が同一することを文章通知しました」と説明。

この通知に対して、「現時点で東京都中央区から回答文章があり、『中央区』という名前を再考するよう要請がありました。北区については現時点でまだ回答はありません」と明かした。

松井市長はこの要請に対し、「政令都市のあちこちに北区と中央区は存在し、方位を表す文字。銀座っていう名前は日本中あちこちにあるが、銀座通りを誤解することはない。そういうご意見があることは受け止めるが、大阪市としても北区・中央区というのは長い歴史で親しんだ名前なため、それはそれとして我々は判断していきたい」と語った。

前出の担当者によると、「市では今後、東京都中央区の要望に対し何らかの形で回答をおこなう予定になっている」という。

取材・文/岡田由佳子

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