ミュージカル女優・葵わかな「音楽の力ってすごい」

2020.2.25 19:00

ミュージカル『アナスタシア』でヒロインに挑む葵わかな

(写真7枚)

NHK連続テレビ小説『わろてんか』(2017年)で、主人公・藤岡てんをほがらかに演じた葵わかな。同ドラマの後に出演したミュージカル『ロミオ&ジュリエット』(2019年)では、可憐なジュリエット役が評判を呼び、ミュージカル女優・期待の星のひとりだ。1997年のアニメ映画にインスパイアされ制作された日本初演の『アナスタシア』で、再びミュージカルのヒロイン(木下晴香とのWキャスト)に挑む葵に、ミュージカルへの思いや、今後の意気込みを訊いた。

取材・文/吉永美和子 写真/木村正史

「音楽の力ってすごく大きい」(葵わかな)

──『ロミオ&ジュリエット』では、ジュリエットのはかなさと芯の強さを、演技力と歌唱力の両方でしっかり表現して、とても初舞台とは思えない存在感でした。

ありがとうございます。私は仕事の幅を狭めたくないというのもあって、「こんな役をやりたい」とはあまり考えないようにしていたのですが、この舞台を観たとき、初めて「あ、ジュリエット役を何が何でもやりたい!」と思いました。そのためには歌の稽古をしなければ、とすぐに撮影の合間を縫いながら自主的にボイストレーニングに通うようになりました。

──初めての舞台、しかもミュージカルはあまり映像ではやらない表現なので、とまどったことも多かったのではないでしょうか?

よくミュージカルが苦手な方って「お芝居の途中で、急に歌がはじまるのが理解できない」っておっしゃるじゃないですか? でも、私も同じことを感じることもあります。

「音楽が物語自体を支えることすらある。音楽の力って、すごく大きいです」と魅力を語る
「音楽が物語自体を支えることすらある。音楽の力って、すごく大きいです」と魅力を語る

──「今ここで歌う?!」という、ノリツッコミみたいなことが。

やっぱり演技の途中で急に歌い出すのって、すごく難しいんです。でも舞台で活躍されているミュージカルスターの方々は、演技と歌をなじませるテクニックを常に考えて、実践して、観る人を感動させるお芝居をされているんです。

──確かに上手な俳優さんは、演技から歌、さらに歌から演技に移るのが自然に見えます。

そうですよね。『アナスタシア』では「お芝居のなかに歌があること」と「歌のなかにお芝居があること」、この両方の側面を自分なりにどうなじませるか、もっと考えながらやっていきたいと思ってます。

──とはいえ、歌があることで演技が助けられる部分も、きっとありますよね。

すごくあります! 音楽があった方が、シーン的にも、観ている人の気持ちも盛り上がりますから。映像だと音楽は後から付きますが、ミュージカルは自分のなかから奏でていける。それによって、より自然と涙が出たり、気分が高まったりしますし、物語自体を支えることすらあるんです。音楽の力って、すごく大きいです。

ミュージカル『ANASTASIA(アナスタシア)』

日程:2020年4月6日(月)〜18日(土)
会場:梅田芸術劇場メインホール(大阪市北区茶屋町19-1)
料金:S席13500円、A席9500円、B席5500円ほか
電話:06-6377-3800

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