赤星憲広「中止になりました、だけで終わらせてはいけない」

2020.3.11 20:30

過去開催の『選抜高校野球大会』の様子

(写真2枚)

19日に開幕予定だった「第92回選抜高校野球大会」の中止が11日に発表された。MBSで予定していたセンバツ中継およびセンバツ情報番組『みんなの甲子園』の放送もおこなわないことになり、 野球解説者/学生野球指導者で、同番組のMCを務める赤星憲広氏が心境を語った。

──野球人として、また学生野球指導者として、今回の中止を聞いたときの率直な感想は?

甲子園の切符を掴んだ32校の選手たちからすると、正直「なんでなんだ」という感情だと思うんですよね。しかし逆にもし開催されるとなっていた場合は、相当な覚悟も必要だったと思うことも事実。コロナ問題で体調面も気にしなければいけないし、世論が気になりプレイだけに集中できないというリスクもある。そういう意味で、開催された場合、選手たちのメンタル的な部分がどこまで耐えられるのか…。

今回出られなくなってしまった選手の悔しい気持ちを考えると、「やった方が良かったのか」「やらなかった方が良かったのか」というのは、今は正直何とも言えないと思う。高野連の人たちも苦渋の決断だったと思う。

過去開催の『選抜高校野球大会』の様子

──ご自身も2度のセンバツ出場を経験。ここまで頑張って練習して出場を勝ち取って、夢の舞台でのプレイができなくなるという選手の気持ちはどれほどのものでしょうか?

選手たちには、甲子園でのプレイで「何か」を経験して、今後の野球人生に活かして欲しいなというのが、野球人としての僕の想いだった。これが経験できないというのは彼らにとって大きなことだとは思うが、もし大会がおこなわれたときに、まだ大人になっていない年頃の高校生が、開催することでバッシングを浴びたりいろんな事を言われるなどの可能性を考えると、どっちの方が影響が大きいのか正直考える。

ただ、こういう中止という結果になったことによって選手たちには悔いは残るとは思う。うーん、やっぱりやりたかったでしょうね、選手は…。

──学生野球指導者として、選手・関係者・保護者らにメッセージを。

僕は今回の件で、「中止になりました」だけで終わらせてはいけないと考えている。それだけではあまりに選手が可哀想すぎる。もう1回センバツをする、というのは期間的に難しいと思うので、なにか選手の心を救ってあげる新たな「埋め合わせ」を考えて欲しい。

例えば、「夏の大会の出場校を増やす」。センバツの切符を掴んでいた学校も含めて夏の大会をおこなうという案も考えられる。夏の地区予選は通常通りおこない、もしセンバツ出場予定だった高校が優勝したらそのまま、そうでなければ優勝校とセンバツ出場予定校の両方を代表として出場させる。結果出場校が70校や80校となって運営が大変だろうけど、「大変な年」だからこそ「大変な事」を検討すればいいと思う。「特別大会」にすればいい、「特別な年」だからこそ、そう思う。

赤星氏は指導者として、中止になった学生のメンタルケアをとても重要視しており、そのための具体的な持論を展開した。

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