奈良県の荒井知事が県民へ初要請「県外との往来を自粛して」

2020.4.10 11:15

緊急事態宣言を受け「大都市・海外への往来自粛をお願いします」と県民に要請した荒井知事(4月9日・奈良県庁)

(写真2枚)

政府が7都府県に対して緊急事態宣言を発令したのを受けて、奈良県の荒井正吾知事が4月9日の定例記者会見で、「大都市・海外への往来自粛をお願いします」と県民に初めて要請した。なかでも、緊急事態宣言が出された大阪など大都市への往来を避けるよう強く呼びかけた。

奈良県の感染者は3月28日からほぼ毎日発生しており、4月8日までの13日間で合計21名(累計で30名)。この21名のうち、感染経路不明者が10名いるが、みな大阪への来訪歴がある人だという。

そのほか、大阪のライブハウスでの感染が4名(県内での2次感染含む)、海外での感染(海外帰国者)が5名、大阪在住で県内勤務者からの感染が2名の状況。「奈良県は、東京のように感染経路不明者ばかりという訳ではない。今のところ大都市へ行ってうつされたケースが多い」と荒井知事は説明する。

県内の感染者(入院者)への対応として、必要な病床数を確保するため、それまで24床だった感染症病床が3月18日に64床まで増床。さらに、4月中を目途に231床+αまで病床数を確保できるよう調整中だという(県総合医療センターや県立医科大を重点に確保し、それ以外の病院で若干数)。

そして今後、感染爆発した際に備え、軽症・無症状者が自宅・宿泊施設などで療養できるよう準備を進めていると説明。具体的な宿泊施設は未定としたうえで知事は、「隔離して生活できるよう室内ルームサービスやトイレ、洗面所が備わった個室がある施設の希望を募って、準備していく」と話した。

さらに、「病床代わりなので、具体的な内容はこれからだが、当然保障するので、(患者を)お客さまとして扱ってほしい。これにより、重症者のための病床を最大限確保する」と述べた。

PCR検査についても必要な人が確実に検査を受けられるよう、「県保健研究センター」の検査技師を1名増員。すでに民間検査会社への委託もはじめており、4月1日以降、毎日ほぼ30件の検査を実施し、13日からは1日最大45件、20日以降は1日最大60件実施できるよう拡充するという。

荒井知事は、スマホアプリ「ナラプラス」でこれら県最新情報を発信していることを紹介。感染者発生情報、入院状況などの確認ができるため、県民に登録を促した。

取材・文・写真/いずみゆか

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