開かずの踏切に悩む奈良市民、通路完成「安全になり嬉しい」

2020.4.21 07:30

県北部最大のターミナル駅「近鉄大和西大寺駅」に新たにできた南北自由通路(4月18日撮影)

(写真3枚)

奈良県北部最大のターミナル駅である「近鉄大和西大寺駅」(奈良市)の北口と南口を結ぶ南北自由通路の一部が4月19日に開通。さらに、新設された中央改札口が利用できるようになった。

同駅は、奈良市の中心街と大阪・京都・橿原方面(奈良県中南部)を結ぶターミナル駅で列車の本数が多く、線路の切り替えポイント(分岐器)が多い平面交差駅。その駅近くの「開かずの踏切」が長年、近隣住民を悩ませてきた。

これらの問題解消を目指し、平成28年に奈良市と近畿日本鉄道が整備を含めた事業に着手。約5年かけて今回の南北自由通路の一部供用開始を迎えた。

整備に携わる鈴木秀俊さんは、「今まで踏切を利用していた歩行者や自転車利用者がこの南北自由通路に移動することで、以前よりも車が『開かずの踏切』をスムーズに通過できるといった効果が出たら」と期待を込める。

この自由通路には、エレベーターやエスカレーターが設置され、自転車はエレベーターを利用することになる。そのほか、奈良市が管理する防犯カメラや常夜灯により24時間安全に往来可能なバリアフリー化が実現した。

小学生の息子さんが習い事のため、自転車で危険な「開かずの踏切」を利用することに不安を抱えていたという駅南側在住の30代女性は、「安全に行き来するルートができて、駅北側の商業施設を利用しやすくなったのでうれしいです」と喜ぶ。実際に自転車で利用してみて「エレベーターが大人の自転車1台と子どもの自転車1台、さらに大人が1~2名乗るのが限界かなと感じたので、欲を言えば、自転車用のスロープをつけて欲しかった」と感想を話した。

なお、今回の南北自由通路一部共用開始に伴い、同駅の北口改札を撤去。今後は、新設の中央改札と従来の南口改札の利用になる。同駅のリニューアル工事完成は令和3年3月31日を予定。

取材・写真/いずみゆか

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