京の社寺拝観停止、東寺「創建から1200年以来初めて」

2020.4.23 06:00

京都の風景(4月17日撮影)

(写真2枚)

新型コロナウイルス感染拡散防止のため、京都では劇場、美術館などだけでなく、社寺が相次いで拝観停止、行事の中止を打ち出している。

2020年4月2日に西脇隆俊京都府知事と門川大作京都市長が共同で緊急記者会見をおこない、新型コロナウイルスの感染が急拡大している地域への不要不急の往来や、人混みへの外出などを自粛するよう強く呼びかけた。

これに直ちに反応したのは、「真言宗総本山 教王護国寺・東寺」(京都市南区)。3日に、五重塔と八重紅しだれ桜が人気の「夜桜ライトアップ」を中止。さらに4月18日に、緊急事態宣言が全国拡大されたのを受け、22日から全拝観の停止を発表した。

「緊急会見があった次の日から、夜桜のライトアップは中止しました。混雑を回避するための、お寺の判断です。22日からの拝観全面停止は、創建から1200年の東寺にも、かつてなかった事態」とのこと。一部に「6日まで」という情報も出ているが、拝観停止期間は「当面」とのこと。今後の拝観情報は、5月6日頃に東寺の公式サイトで告知される予定だ。

感染拡大防止への取り組みは、京都三大祭りにも表れている。「葵祭 路頭の儀」(5月15日)、「祇園祭 山鉾巡行」(7月17日、24日)も、中止が発表された。世界の観光地だからこその、大胆な行動だ。

拝観業務を停止した「仁和寺」の金堂(国宝)

市内の社寺の拝観状況の最新情報を発信する京都市観光協会の公式サイト「京都観光Navi」では、「京都を愛する方・観光客の皆様へ」として、「御自身と大切な人の命と健康を守るため、今は全国における外出自粛の要請に従っていただき、新型コロナウイルス感染症が収束後、京都市は皆様のお越しをお待ちしております」とのメッセージを発信している。

拝観、イベントを中止した主な社寺は以下のとおり(情報は随時更新されます。事前にご確認を)。

【拝観停止になったおもな社寺】

「妙心寺」拝観・御朱印休止
4月14日~5月10日

「三十三間堂」 拝観中止
4月15日~当面の間

「泉涌寺」拝観業務休止 ※境内は自由参拝
4月17日~

「仁和寺」拝観業務停止 ※境内は一部制限のもと開門
4月17日~

「青蓮院門跡、青蓮院 将軍塚 青龍殿」 一般拝観中止
4月15日~当面の間

「建仁寺」 拝観休止
4月15日~当面の間

「北野天満宮」御土居の青もみじ公開、宝物館公開 中止 
4月18日~30日m(5/1以降未定)

「南禅寺」拝観休止
4月19日~

「延暦寺」通常拝観中止
4月20日~

「東寺」全拝観の停止
4月22日〜

「銀閣寺」春の特別公開
4月24日~5月6日(後期) 中止

【中止になった行事】
「壬生寺」壬生狂言 
4月29日~5月5日(4/29のみ関係者だけで開催)

「上賀茂神社」賀茂競馬 中止
5月5日

「上賀茂神社・下鴨神社・京都御所」葵祭 路頭の儀
5月15日

「大田神社」上賀茂やすらい祭 中止
5月15日

「貴船神社」貴船祭 中止
6月1日

「祇園祭 山鉾巡行」中止
7月17日、24日

取材/沢田眉香子

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