神戸がコロナ対策事業の起業家育成、シリコンバレーの指導も

2020.4.25 08:00

『500 KOBE Accelerator 』の過去のプログラムの様子 提供:神戸市

(写真3枚)

神戸市で毎年開催されるスタートアップ育成プログラム『ファイブハンドレッド神戸アクセラレーター』が、今年はオンライン研修で実施。募集テーマを新型コロナウイルス対策に絞ることが、4月23日の市長定例会見で発表された。

立ち上げ間もないスタートアップ企業を対象に、約2カ月の研修と資金提供がおこなわれるこの起業家育成プログラム。世界中で展開される本事業を国内では2016年に神戸市が初めて誘致し、アメリカ・シリコンバレーの一流起業家から指導を受けられるとあって、海外からの応募が半数以上になるほど国内外で注目を集めている。

従来であれば、参加者とシリコンバレーの指導者を神戸に招待し、マンツーマン指導を含め、ビジネスを急成長させるための研修が展開。しかし、海外からの渡航者は到着後の隔離が必要な状況で、今年度の開催が危ぶまれた。

そこで市は、テーマをコロナウイルス対策に絞り、すべてオンライン研修で開催することに決定。国内外の若手起業家たちに神戸を見てもらえないが、実施にこぎつけることができた。

久元喜造神戸市長は、「各方面から注目され実績を上げているプログラムなので、何よりも中断させたくない思いがあった。そして今、テクノロジーの活用で現状を乗り越える取り組みが世界中で広がっている。コロナウイルス対策として開催する意義があると考えた」と話した。

募集テーマは「AGAINST/WITHコロナウイルス」「AFTERコロナウイルス」の2部門。遠隔医療やデマ防止、物流やリモートワークなど、直接的・間接的に新型コロナウイルスの影響を受ける分野をテクノロジーでサポートする事業が対象となる。本プログラムの参加者は6月に募集を開始する予定。

取材・文・写真/合楽仁美

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