奈良県、新型コロナ対策で感染者と医療従事者を支援

2020.5.1 06:00

新型コロナウィルス対策における医療体制充実のための具体案を発表した奈良県(記者会見は23日、28日におこなわれた。23日撮影)

(写真2枚)

奈良県は、新型コロナウイルス対策における医療体制充実のための具体案を4月23日に発表。PCR検査の結果が未確定の人は感染拡大の要因になることから、相談と検査のスピードアップをはかる目的だ。

5月中旬頃には、新たに「奈良県西和医療センター」(奈良県生駒郡)の駐車場にプレハブ形式の「発熱外来クリニック」(仮称)を設置する。奈良県の荒井正吾知事はこのクリニックの受診方法について、「今までは県の帰国者・接触者相談センターにまずは電話するというメインルートがあったが、今後、新型コロナに感染した恐れのある人は、このクリニックを直接、予約するというルートができた。2つのルートができることになります」と23日の記者会見で説明。

そのほか、24日から、「奈良県総合医療センター」(奈良市)ですでに開始しているドライブスルー検査を「南奈良総合医療センター」の外来(奈良県吉野郡)でも開始し、陽性の軽症者(無症状、味覚障害のみで元気な人)をホテル「東横INN奈良新大宮駅前」(奈良市)で受け入れ、宿泊療養を開始している。

感染症病床も64床だったが、5月1日から231床に拡充。PCR検査の体制も現在は民間への委託で3日間かかっていたが、新しい検査機器を整備して45分で検査できるよう補正予算を組んだ。

また、医療従事者に対して、勤務地近くに寝泊まりする人へは上限1万円(1人1泊)の宿泊施設利用料を支援(令和2年4月1日からさかのぼって適用)。5月1日からは、県民や事業者からの寄附金を財源とした「新型コロナウィルス感染症対策基金」をスタートし、医療従事者への激励金とする予定だ。

同基金は、県民から「国の特別定額給付金(一律10万円)を医療従事者へ寄付したい。県で対応して欲しい」との声が上がったことを受け設立。荒井知事は、給付金の寄付を県民へ呼びかけつつ、強制では無いと繰り返し述べ「寄付される方の気持ちを尊重できるものにしたい」と語った。

5月1日から寄付とともに「医療従事者等への応援メッセージ」も募集する。同基金の問い合わせ先は、0742-27-8504(奈良県福祉医療部企画管理室)。

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