在宅ワークに効果的なストレッチ、柔道整復師が指南

2020.5.21 07:15

腰や肩、首のコリなど、長時間座ったままの在宅ワークが身体の不調につながることも

(写真5枚)

長引くコロナ禍の影響で、在宅ワークの機会が増えて、今後の経過によっては、この勤務スタイルが定着する可能性が高まっている。そんななか、慣れない環境でのデスクワークが、ストレスや体調不良のきっかけになることも。

そんな不安や不調を改善するために、身体に負担のかかりにくい座り姿勢を柔道整復師の石垣雅則先生がアドバイス。気をつけたいポイントや、気分をリフレッシュするためのストレッチを教えてもらった。

日本全国の鍼灸接骨院「ほねつぎ」で活躍する柔道整復師・石垣雅則先生

──家では長時間座ったままなのですが、どういったところに影響が出るのでしょうか?

「実は、座り方によっては思っている以上に腰に負担がかかると言われています。たとえば、椎間板にかかる圧力は、立っているときよりも40%アップ。座る姿勢によっては、その圧力がさらに増すという研究報告もあります。腰への負担を減らす意味でも、正しい姿勢で座ることを意識してください」

──その、理想的な座り方とは?

「骨盤や椎間板に負担がかかりにくい理想の姿勢は、腰を90度に起こして背筋をまっすぐに。ひざを90度に曲げて、足の裏がしっかりと床に着くように座ることで、バランスよく身体を支えることができます。また、気分をリフレッシュするためのストレッチも有効なので、試してみてください」

<長時間座るときの注意点>
●長時間同じ姿勢でいることを避ける(1時間に1度の休憩を)
●足の指をこまめに動かしたり、かかとの上下運動(20〜30回程度)をおこなう
●適度な水分をとり、時々深呼吸をおこなう

──どんなストレッチをおこなうのが、効果的ですか?

「立ったり歩いたりするのが一番ですが、考えている最中などに座ったまま、腰や座骨周辺の筋肉をほぐすだけで、一日仕事を終えた後の疲れも変わってきます。こちらの2つのストレッチをクセづけてもらえれば」

座ったままでOK! 腰のストレッチ(フリーマガジン「HONEY-STYLE 21号より」)

【腰のストレッチ】
両手を肩にのせて、肩と腕の高さを変えずに、そのままゆっくり左右に3回平行移動させる。坐骨と呼ばれるお尻の重心が左右に移動していることを意識するのがポイント。

座ったままでOK! 骨盤のストレッチ(フリーマガジン「HONEY-STYLE 21号より」)
座ったままでOK! 骨盤のストレッチ(フリーマガジン「HONEY-STYLE 21号より」)

【骨盤のストレッチ】
椅子に浅く座って両手は軽く腰に置き、両脚は曲げて椅子の下に入れる。そのままの姿勢でおなかを突き出し、胸を反らしてゆっくり5秒キープ。

※長時間の座り姿勢が続くとき、1時間に1回おこなうのが目安

──そのほかにも気をつけるポイントはありますか?

「PC作業など長時間のデスクワークによる、肩こりや首こりにも注意が必要です。これは、肩甲骨まわりの筋肉や全身の筋肉の柔軟性が弱まることが要因の一つと言われています。肩こりと関係性が深い僧帽筋(後頭部から肩、背中にかけて広がる筋肉)をほぐし、肩甲骨をはがすような効果のあるストレッチも有効です」

【肩甲骨の動きを確認】
まずは準備運動。手の平を裏返して組み、ヒジを曲げずにそのまま腕を上げていく。腕が頭の真上になったとき、耳が見えるのが理想的。腕を伸ばしたまま、身体を左右にゆっくりと5往復曲げる。

【肩甲骨を寄せるストレッチ】
椅子に座ったまま、手のひらを外側に向けて両手を上げる。ヒジを曲げながら横に下ろしていく。ヒジを後ろに引き、肩甲骨を寄せることを意識しながらゆっくりと5回おこなう。

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