石川直樹写真展、世界の名峰・エベレストと人の姿を間近に

2020.5.29 07:15

石川直樹『EVEREST』より

(写真5枚)

新型コロナの影響により臨時休館していた「入江泰吉記念奈良市写真美術館」(奈良県奈良市)が、6月1日より始まる「石川直樹写真展」で再開する。

石川直樹(1977~)は、世界の名峰を登山し撮影した作品で知られる写真家。彼は17歳の時にインド・ネパール旅行を経験し、そこから冒険家の生活を始めた。2000年に北極から南極まで人力で踏破する「Pole to Poleプロジェクト」に参加。登山は2001年に世界七大陸最高峰の登頂を当時世界最年少で成し遂げるなど、輝かしいキャリアを誇る。日本写真家協会新人賞(2007年)や講談社出版文化賞(2008年)を受賞するなどし、写真集も多く出している。

石川直樹『K2』より

本展では、2度目のエヴェレスト登頂(2011年)と、2度にわたるK2遠征(2015年、2019年)で撮影した写真を展示する。世界最高峰の山の現実、世界第2位の難峰へ向かう道程を捉えた作品には、山や氷河だけでなく山岳地の街道やシェルパ(登山支援をおこなうネパールの高地民族)、村人の姿も捉えられており、山で人間が生きるとはどういうことかを問いかけてくる。いわゆる山岳写真とは一線を画した作品は、見る者に大きな気付きと感動を与えてくれるだろう。

なお、展覧会初日の6月1日は「写真の日」につき入場無料。また、入江泰吉「奈良 古色大和路」も同時開催されるので、併せて楽しんでほしい。期間は8月23日まで、料金は一般500円。

文/小吹隆文(美術ライター)

石川直樹写真展「山は人間が生き延びるための根源的な叡智を引きずり出してくれる。」

期間:2020年6月1日(月)~8月23日(日)※月曜休(6/1・8/10開館、8/11休館)
時間:9:30~17:00 ※入館は16:30まで 
会場:入江泰吉記念奈良市写真美術館(奈良市高畑町600-1)
料金:一般500円、大高生200円、中小生100円(6/1は無料)
電話:0742-22-9811

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