髪の毛がブワーッ「怖すぎる」と話題、兵庫・福崎町の河童

2020.6.15 20:45

JR福崎駅前、直径1.2m、高さ1.9mの水槽。ガジロウ不在の折も常に泡立ち、登場を予感させる

(写真3枚)

ゴボゴボ泡立つ円柱水槽のなか、黒髪を揺らめかせた河童人形が現れる兵庫県・福崎町の動画が14日にSNSに投稿され、「メッチャコワイ!!」「子どもがトラウマに」「怖いけど何度も見てしまう」と23万以上ものいいねが付くほど話題に。

投稿したのは、姫路市夢前町在住のリンゴの魔術師(@ringomajyutu)さん。「おしゃれな水槽があるなと思ったら河童が出てきて。もともと福崎には河童像などがあったので、たいていのことには驚かないのですが・・・思いのほかクオリティが高く、これはいいなと思って撮りました」と話す。

実はこのリアル容姿の河童は、福崎町のマスコットキャラクター「ガジロウ」。日本全国の妖怪を研究した民俗学者・柳田國男氏の出身地であり、2013年から妖怪をテーマにした町おこしが盛んなことから誕生。町内のあちこちに、「怖すぎる」見た目の妖怪オブジェが設置され、注目を集めている。

この水槽は2019年10月、JR福崎駅のリニューアルで拡張された駅前広場に新設されたもの。ガジロウは7時07分~20時07分の15分おきに顔を出し、手には「ようこそふくさき江」と3カ国語で書かれたウェルカムボードを持つ。

夜はライトアップされ、よりホラー感を演出。また、このガジロウは2km離れた「辻川山公園」の池にも9時~18時の15分おきに現れ、地下トンネルでつながる駅と池を往復しているという設定だ。

妖怪デザインを一手に任され、自らも造形が長年の趣味である福崎町地域振興課の小川知男さんは、「ほかにもあるようなキャラクターを作ってもつまらないので、思いっきり気持ち悪くしました(笑)。だから『怖すぎる』という反応は大歓迎。水槽は整備後の駅前に何か作りたいなと考えていた時、「京都水族館」でアクリルチューブを泳ぐアザラシを1時間眺めてひらめいたもの。水中でガジロウの髪がブワ~ッと広がるのがこだわりです」と話す。

これらの変化について、リンゴの魔術師さんは、「観光案内所や、グッズ売り場が登場し、駅前がきれいになったのはもちろん、子ども連れの家族やカメラを構えた男性、就活生が見ていて、今までそんなのはなかったので、賑わいが生まれてよかったのではないかと思います。これまで、リアルすぎる造形のガジロウくんでどうPRしていくのかなと思っていたのですが、今回のいいね数など反応を見ると、話題としてもイケるんじゃないかな」と期待を寄せる。

「ガジロウさんのマスク」キッズ10×13cm、レギュラー14×17cm、レディス12.5×15cm(いずれも顔部分の高さ×幅)
「ガジロウさんのマスク」キッズ10×13cm、レギュラー14×17cm、レディス12.5×15cm(いずれも顔部分の高さ×幅)

また、地元でもガジロウは人気で、今回のコロナ禍で4月に発売した「ガジロウさんのマスク」はわずか2日で100枚が完売。今秋には、「妖怪ブックカフェ」のグランドオープンの予定もあり、今後も続く「妖怪推し」が楽しみだ。

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