厄除け菓子・水無月って知ってる? 京都高島屋に50種も

2020.6.16 14:15

京都高島屋「鶴屋吉信」水無月 白3個入1箱810円(税込・6月29・30日販売)。京都亀岡丹波地方の馬路産小豆だけを使用

(写真5枚)

ひな祭りにはばら寿司、祇園祭にはハモ、11月には亥の子餅。暦と食とを結びつけて、季節感をがっつり味わう京都人。1年に何度も京都人をそわそわさせる「あれ食べなあかん」アイテムのなかでも、水無月(みなづき)は別格に大事な菓子だ。

和暦6月と同名の「水無月」は、京都発祥といわれ、小豆が乗った三角形のういろう。6月30日に各神社で執りおこなわれる神事「夏越の祓(なごしのはらえ)」の時期となる、年の折り返しに当たるこの日に水無月を食べることで、半年のけがれを払い、残りの半年の無病息災を祈るならわしがある。食べて厄除けできる菓子と聞けば、コロナ禍に揺れる今年は、京都人ならずとも気になるはず。

京都高島屋「仙太郎」のみなづき。白・黒糖・抹茶の三種類あり。各1個227円(税込)

この水無月、シンプル極まりないだけに、小豆の炊き加減、ういろうのモッチリ具合など、店ごとに微妙に違う味わいがある。それを食べくらべできるのが、「京都高島屋」(京都市下京区)の和菓子売り場だ。例年、京都の和菓子店の水無月を多数扱っており、売場のチラシを配布するほどの力の入れよう。

今年も「約20ブランド、約50種類を販売予定」(広報担当者)という。おそらく水無月の品ぞろえ日本一だろう。これだけあると、なかにはひと味違う水無月も。「末富」は、葛製の水無月(5個入り2970円・税込 6月30日限り)と上菓子店らしい高級感。半兵衛麩「麩まん水無月」(5個入り1242円・税込)は、生麩の水無月だ。

「出店数や種類は、昨年とほぼ同数ですが、商品の準備個数は昨年よりも増やす予定です。残り半年間の無病息災を願って召し上がっていただけるよう、今年もたくさんの水無月をご用意しています」(同担当者)。いつもよりたくさん食べて、御利益を得たい。

能「道成寺」で、大蛇になった女の装束に、ウロコを表す三角形の紋が。この「ウロコ紋」を厄年の人が厄除けに身につける風習もある(林宗一郎:吉岡恒法撮影)

ところで、なぜ「水無月」をこの時期、厄除けとして食べるのか? 三角形は、氷が貴重な時代に、夏バテ防止のため宮中に献上された氷をあらわし、小豆は古くから厄除けのまじないとされる。また、連続した三角は、古代から厄除けの文様として知られているといった理由があげられる。

取材/沢田眉香子

京都高島屋

期間:2020年6月1日(月)〜30日(火)
住所:京都市下京区四条通河原町西入真町52
時間:10:30〜19:30(一部異なる)
電話:075-221-8811

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