染織家・志村ふくみの回顧展。音と光のアートプロジェクトも
2015年に文化勲章を受章した染織家で、人間国宝の志村ふくみ(1924~)。彼女の60年にわたる創作活動の歩みを振りかえる『志村ふくみ展 いのちを織る』が「姫路市立美術館」(兵庫県姫路市)で7月4日からおこなわれている。
志村は32歳のときに柳宗悦の民藝思想に触れ、母・小野豊の指導で織物を始めた。彼女が選んだのは、日本の農家の女性たちが普段着にしていた紬織(つむぎおり)だ。草木から染め出された豊饒な色彩を持つ作品は早くから評価され、第4回日本伝統工芸展(1957年)に初出品で入選。その後も数々の受賞を重ね、1990年には紬織の重要無形文化財(人間国宝)に認定されている。
本展では「滋賀県立近代美術館」が所蔵するコレクションを中心に、主要な紬織着物約100点を裂帖や染糸などで展覧。染織品を長期間展示し続けるのは難しいが、前後期でほぼすべての作品を入れ替えることにより、初期から近年の作品が網羅できるように展示される。志村芸術の全貌を知る絶好の機会だ。期間は8月30日まで、料金は一般1000円。
また、美術館の前庭では、庭園アートプロジェクトとして、音と光のインスタレーション「たまはがねの響」を同時開催。これは、兵庫県指定伝統工芸品「明珍火箸」(鉄で作られた風鈴)の制作者・明珍敬三と、作曲家・菅野由弘の協力により実現したもの。菅野による明珍火箸の透明感ある美しい音色を生かした楽曲「星雲光響2020」と、「たまはがねの響」の世界観を表現した光のインスタレーションが華麗な競演を繰り広げる。こちらも合わせて楽しみたい。
文/小吹隆文(美術ライター)
『志村ふくみ展 いのちを織る-滋賀県立近代美術館コレクションを中心に-』 庭園アートプロジェクトー音と光のインスタレーション「たまはがねの響」
期間:2020年7月4日(土)~8月2日(日)、8月4日(火)~8月30日(日)※月曜休(8/10開館、8/11休館)
時間:10:00~17:00 ※入館は16:30まで(会期中の金土曜、8/9は〜20:00)
会場:姫路市立美術館(兵庫県姫路市本町68-25)
料金:一般1000円、大高生600円、中小生200円
電話:079-222-2288
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