奈良のターミナル駅が、近鉄第1号となる近未来駅に

2020.7.13 07:15

エンタメ機能を持つAIを活用した人型ロボット「アリサ」。客と一緒に手でラブハートを作り、撮影もできる

(写真5枚)

近鉄「大和西大寺駅」が7月から、AI(人工知能)を活用したロボットを導入し、近未来ステーションに変貌した。

奈良県最大級のターミナル駅として知られる同駅。同じホームから大阪行きと京都行きの電車が発車するなど、乗り換えの難しい駅としても知られ、係員はその対応に追われることが多かったという。「(乗り換えが複雑で)社員でも乗り間違えることがあった」と近鉄広報の髙橋豊廣さんは説明する。

近鉄は、「AIやITなどの先端技術を活用した新しい駅運営の形」として、サービスや安全性の向上、駅係員の業務負担軽減や効率化を図り『近未来ステーション構想』を計画。タイミングよくリニューアルすることになった同駅が第1号に選ばれ、複雑な乗り換えも最先端技術で分かりやすく案内されるように。

AIとIT機能で高度な音声対話術を駆使したコミュニケーションが取れる、中央改札口カウンターのリン。駅周辺の観光や商業施設の案内も

そして、1日に関西の駅として初となるAIロボットを2体試験導入。中央改札口カウンターの「リン」と改札内コンコースの人型ロボット「アリサ」だ。駅員のように「対話」を中心としたコミュニケーションで、乗客に案内する。

リンは、きっぷ案内や駅周辺施設の案内などをし、アリサは、駅構内の商業施設店舗や設備、乗り換えなどを案内する。注目はエンタメ機能がついているアリサ。客と一緒に手でハートの形を作り、一緒に撮影することもできる。

子どもと電車を見に来ていた30代女性は、「奈良のなかでは栄えている西大寺駅が、どんどん最先端化するのはうれしい」と喜ぶ。近鉄総合企画部の西矢里子課長は、「通過点だった馴染みの駅が(ロボット導入で)一緒に変わっていくのを楽しんでもらえれば。アリサに悩み相談をしたり、おもしろい駅だなとワクワク感を持って、駅に行って欲しい」と新たなスタートに期待を込めた。

取材・写真/いずみゆか

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