蓮オタク和尚・ハッスー、悔しさバネに新品種や蓮茶を独自開発

2020.7.19 14:15

奈良「生蓮寺」住職・高畑公紀さん

(写真9枚)

蓮和尚、「彼岸まで咲く蓮」を独自で品種改良

実は和尚、京都大学大学院博士課程を卒業した生命科学博士。なんと植物版のiPS細胞を研究していた、いわばガチの研究者「蓮博士」なのである。植物が大好き、なかでも蓮が一番好きで、2006年から境内で蓮を育て研究を続けている。

2020年の2月に完成した門前の蓮池ビオトープ。植えられた『生蓮寺華蓮』は、最初濃いピンクの花が咲き、徐々に色が抜けて白っぽく変化する

さらには『五感で楽しむ蓮図鑑』(淡交社)という著書まで出版。同書は、蓮の開花時期が分かる珍しい図鑑であるうえ、蓮の育て方から食べ方、遊び方など蓮に関すること全般を網羅したユニークな内容だ。蓮和尚に話を聞いた。

──もともと、こんなに沢山の品種を育てていたのですか?

「いや、当初はそんなに。(蓮を)鉢で育てているとお盆前には花が終わってしまうんです。でも、人がお寺に最も来るのはお盆なんです。ある時、もう終わったのかと言われて、悔しくて品種改良したろうと思って(笑)」

──遅咲き品種の改良をされたんですね?

「7種類くらいやりました。今ではお盆どころか、お彼岸まで蓮が咲いています」

──生蓮寺にしかない(ある意味日本で唯一)という「生蓮寺白彼岸蓮」ですね?

「それを母体にして交配し、いろいろ品種改良しています。全国的にみてもめずらしい、彼岸まで遅咲きの蓮が見られる寺なんです」
 
──品種改良でうまくいかなかった蓮は、どうなるのですか?

「花が咲いてなんぼなので、咲かなかった蓮は食べちゃいます。レンコンとして。今のレンコンは細いですが、秋に先端が太くなり食べられます」 

──蓮池ビオトープの濃いピンクの蓮や白い蓮がキレイですね。

「実は、ビオトープの蓮は、1種類だけなんです。蓮は4日間しか咲かないのですが、徐々に色が抜けて白くなっていくんですよ」

生蓮寺

住所:奈良県五條市二見7-4-7

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