台風シーズンに向け大阪が行動計画を策定、検証のために訓練

2020.8.2 07:15

定例会見のフリップより「大型台風接近時の事前準備等タイムライン」の説明(7月29日・大阪府庁)

(写真7枚)

ここ数年頻繁に発生している大型台風への対応について『大型台風接近時の事前準備等タイムライン(防災行動計画)』を策定し、今年度から運用している大阪府。まもなく迎える台風シーズンに備え8月4日、その行動計画を検証するための訓練が全庁あげて実施される。

このタイムラインは、自然災害の発生を前提に「いつ」「誰が」「何をするか」という点で、府民や行政がどう行動するかを時系列で整理したもの。

例えば、台風接近の2~3日前(48~72時間前)は、府民に対して防災マップやハザードマップなどで自宅の状況確認を呼び掛ける一方、府では防災・危機管理指令部を設置。気象情報を収集し、関係機関との連絡体制を確立させる。

さらに、1~2日前(24~48時間前)は府民に対して避難場所の確認と避難準備を呼び掛け、府では災害警戒本部を設置。府有施設の安全確認や市町村の状況を把握し、避難所開設準備を指示する。

そして台風が接近する直前は、市町村が避難所を開設し、住民たちの避難・受け入れを開始。府では災害に対応する体制を完成させ、災害対策支援などをおこなうリエゾン派遣の準備を国土交通省に要請する。

このような一連の対応が、府の部門ごとに事細かに項目化された同タイムライン。

吉村洋文知事は、「台風シーズンは毎年必ずやってくる。ここ最近は何十年に一度の台風がやってきて気象状況も変わってきているが、日本では進路や被害をかなり正確に予測できる機能を備えている。(台風接近時に)どう行動するか、府民、市町村、府が一体になってやることで、災害の被害を抑えることができる」と説明する。

また今年は、新型コロナウイルス感染症に注意しながら速やかに避難することが原則。コロナ状況下での災害対策に対し吉村知事は、「日ごろから飲料水や食料品など非常時持出品に加え、マスク、消毒液、体温計など衛生管理用品も必要になるため、準備しておくことが必要」と語った。

8月4日には、2018年に近畿地方に甚大な被害を及ぼした台風21号相当の台風接近に伴った風水害を想定した訓練を実施。コロナ対策を勘案したタイムラインの検証がおこなわれる。

取材・文・写真/岡田由佳子

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