初3人ヒロインの朝ドラ「少なくとも1人」オーディションで

2020.8.11 13:15

2021年度後期連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』ロゴイメージ

(写真9枚)

2021年度後期に放送を予定するNHK大阪放送局制作の連続テレビ小説が、祖母・母・娘の3世代親子がヒロインの『カムカムエヴリバディ』に決定。3人のヒロインは史上初のことで、現在おこなわれている出演者オーディションで選出される。

脚本を手掛けるのは、『ちりとてちん』(2007年)に続く朝ドラ2作目の藤本有紀。ほかにも大河ドラマ『平清盛』(2012年)や『夫婦善哉』(2013年)、『ちかえもん』(2016年)、『みをつくし料理帖』(2017年)など多数執筆しており、同局からの信頼は厚い。

その藤本が、「いつか2度目の連続テレビ小説を書かせていただく機会に恵まれたなら、きっと書こうとあたためていた題材」と話すのが、今回のテーマとなる『NHKのラジオ英語講座』。

日本でラジオ放送が開始された1925年に始まった英語講座に対し、「その歴史を紐解いていくことは、そこに百年の物語を見つけ出し、紡ぎ上げることと同義です。とても自然な成り行きで3世代のヒロインが誕生しました」と話す。

『おしん』『カーネーション』などひとりのヒロインを3世代の役者が演じ分けることはあったが、ヒロイン自体が3世代にわかれるのは初めて。制作統括の堀之内礼二郎氏は、「バトンが次の世代に、そしてまた次の世代にと、リレーのように受け継がれていきます。命、そして役割は前の世代から託され、次の世代につないでいくものだということ。大きな流れのなかで生かされている命の尊さを感じてほしい」と説明する。

しかし、コロナ禍で大規模となる出演者オーディションについては悩んだと言い、「あきらめていた時期があります。しかし途中で、今こそやるべきなのではないか、と考えを改めました。活躍の機会が失われ、多くの若者の未来が閉ざされてしまっている状況のなか、夢をみること、そしてチャレンジすることをあきらめないでほしい」とも。

2021年度前期の『おかえりモネ』のヒロインに清原果耶が発表された際、2018年度後期の『まんぷく』(安藤サクラ)以降、6作連続で主役オーディションがおこなわれなかったことが話題となったが、大阪制作では2017年後期『わろてんか』で葵わかなが抜擢されて以来、4年ぶりのオーディション。

ヒロインは、戦争で夫と死に別れ娘を置いてアメリカに渡るしかなかった祖母・安子(やすこ)、親と英語を憎みつつもジャズソングに救われて自分の人生を切り開いた母・るい、時代劇の世界に憧れながら回り道を経てラジオ英語講座に自分の居場所を見つけた娘・ひなたの3人。昭和・平成・令和の時代をまたぎ、京都・岡山・大阪を舞台に完全オリジナルで物語が描かれるという。

選出されるヒロインがどの世代となるか明かされていないが、同局の担当者は「少なくともひとり」と、複数人になる可能性もあると説明。冬頃には出演者が発表され、2021年春頃にクランクインの予定とのこと。

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