「なら国際映画祭2020」レッドカーペットに斎藤工ら

2020.9.19 18:05

左から加藤雅也、中野聖子、河瀨直美、土居志央梨、永瀬正敏、斎藤工

(写真12枚)

新型コロナウイルスの影響で開催が危ぶまれた『なら国際映画祭2020』が、9月18日、ユネスコ世界遺産・東大寺(奈良市)で開幕した。

奈良出身の河瀨直美(かわせなおみ)監督がエグゼクティブディレクターを務める同映画祭。今年で10年を迎え、6回目の開催となる(2年に1度開催)。

オープニングセレモニーでは、声明(しょうみょう)が響き渡り、奈良時代の古代衣装を身に着けた天平人達に迎えられながら、降りしきる雨の中、加藤雅也、斎藤工、永瀬正敏ら俳優陣や関係者が東大寺大仏殿の参道に敷かれたレッドカーペットに登場。大仏様(盧舎那仏)の前で祈りが捧げられ、厳かで幻想的な雰囲気に包まれた。

新型コロナウイルスにより亡くなられた世界中の方々へ黙とうを捧げた、河瀨直美

開幕宣言の前に、新型コロナウイルスにより亡くなられた世界中の方々へ黙とうを呼びかけた河瀨監督。コロナ禍の中、開催を決心した理由を「こうした分断を経験した人々の心には闇が生まれ、その闇が伝染する前に、映画の力で人々の心に光を届けたい。そう信じたから。もうひとつには、その光を体感した10代の人々の心に『この世界は美しい』そう思う心が宿ると思うから」と万感の思いを込めて語った。

この度の開催では、検温や消毒を徹底し、客席を空ける措置や一部の上映作品(過去ナラティブを含む40作品)をオンライン配信するなど、感染防止対策が取られている。また、セレモニーの様子はユーチューブでの配信もおこなわれる。

会場では、カンヌ、ベルリン、ヴェネツィアの世界三大映画祭をはじめとする各国の映画関係者から、コロナ禍のなか、同映画祭が開催されることに意義があるとして、「映画を守りたい」という熱い祝辞のビデオメッセージが届けられた。

スペシャルゲストのMIYAVI

スペシャルゲストとして登壇したミュージシャンのMIYAVIも「(コロナ禍で)なんで音楽やっているの? なんでアートをやっているの? なんで映画を作っているの? と改めて問われている気がする。発表の場が限られているなかで、それでも本当に届けたいものが今必要とされているものだと思う」とエールを送った。

同映画祭は22日まで。奈良市内5つの会場で、世界初上映8作品、日本初上映27作品を含む全52作品が上映される。チケット情報は公式サイトにて。

取材・写真/いずみゆか

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