写真家レスリー・キー、映画祭で「夢を捨ててはいけない」

2020.9.21 18:15

「どんなことがあっても夢を捨ててはいけない」とポートレート撮影の思いを語る写真家のレスリー・キー

(写真5枚)

9月18日から22日まで開催の第6回『なら国際映画祭2020』。河瀨直美(かわせなおみ)監督がエグゼクティブディレクターを務める同映画祭には、次世代を担う中高生世代の人材育成に力を入れ、取り組むプログラムがある。

今年は、「ユースシネマインターン」「ユース映画製作ワークショップ」「ユース審査員」の3つのユースプロジェクトがおこなわれ、13歳から18歳の学生達が映画業界の入口として「届ける」「つくる」「観る」を体験した。ユース世代の活躍については22日の最終日に「奈良市ならまちセンター市民ホール」で披露される。

「ユース映画製作ワークショップ」では、中川龍太郎(なかがわりゅうたろう)監督を講師に、学生達が構想・撮影・編集・上映まで一貫しておこない制作された『線香花火が落ちるまで』『ささやかな』の2作品が22日・16時からクロージング上映。上映後はユースメンバーによるトークショーもあり、こちらは無料配信される。

そして、同映画祭として初めての試みである「ユースシネマインターン」。映画作品の配給・宣伝を学び、映画配給会社と連携しながら、学生自ら中川龍太郎監督作品『静かな雨』のフライヤー制作、104席のチケットを売り切るなどのチャレンジをした(『静かな雨』の上映は22日・13時)。

「ユース審査員」では、「ベルリン国際映画祭・ジェネレーション部門」推薦の長編映画と「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」推薦の短編映画を審査。22日・17時からのクロージングセレモニーで、ユース世代が選ぶ最優秀作品賞が発表される。

「いつまでも自分の心や記憶に残る映画を選びたい」と「ユース審査員」を代表して思いを語る高校1年生のMitsukiさん

18日におこなわれたオープニングセレモニーで、同プログラムに参加した高校1年生のMitsukiさんは、「(コロナ禍で)映画館に行けていないなか、日本で上映されていない映画を観ることができるのはすごく良い経験になる。また、同年代と映画について話し合えることはすごく楽しみ。観てからいつまでも自分の心や記憶に残る映画を選びたい」と思いを語った。

これらユースプログラムの撮影を担当したのは、雑誌『VOGUE』などで知られるシンガポール出身の世界的写真家レスリー・キー。友人である河瀨監督から今回のポートレート撮影を依頼され、「素晴らしい機会を与えてもらった」と感謝を込めた。

そして、「21名のポートレートを通して、私の過去を思い出した。これからどんな人に夢を与えられるだろうと思った時に、私の写真を通して、彼女、彼らの未来に少しでも自信を持ってもらえたら。どんなことがあっても夢を捨ててはいけない。今回は、彼女、彼らのおかげで私も新しい夢を見直すことができた」と次世代の若者達にエールを送った。レスリー・キーの作品は「奈良市ならまちセンター市民ホール」1階にて展示されている。

取材・写真/いずみゆか

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