こども本の森が神戸にも、公園再整備に安藤忠雄が建物寄付
神戸・三宮駅の南側に位置し、都心のオアシスとして親しまれる公園「東遊園地」(神戸市中央区)。神戸市は、9月24日の市長定例会見で同公園の再整備を発表した。
神戸市が進める都心・三宮再整備の一環としておこなわれる本事業。公園を「芝生ひろば」「みちひろば」「見晴らしひろば」「こどもと花のひろば」の4ゾーンに再構成し、新たな施設も設置する。
そのひとつが、建築家の安藤忠雄氏によって設計される、子どものための図書館「こども本の森 神戸」。大阪にこの7月オープンした「こども本の森 中之島」(大阪市中央区)と同じコンセプトで、子どもたちは本を持ち出して公園内で自由に読むことができるという。
また公園のさらに南に位置する、デザインやまちづくりの各種イベント会場となる「KIITO(デザインクリエイティブセンター神戸)」や「神戸税関」へつづく歩道橋も大きく改修。国道と高速道路に分断されがちなイメージをやわらげる設計で回遊性を高める。
久元喜造神戸市長は、「現在の三宮駅周辺は、国際会館あたりまでにぎわっているが、それより南側は人が少なくなる。駅前だけでなく、(海側へ向かう)フラワーロード添いに人の流れを作りたい。そのために、東遊園地は大切な存在」と述べた。
また子ども図書館について、「少年少女時代に本に親しむ体験はすごく大事。はるか昔だが、私も子どもの頃に読んだ本の場面は鮮明に覚えている。本を図書館から持ち出して公園で自由に読めるすばらしい時間と空間を、安藤忠雄さんから神戸の子どもたちにプレゼントしてもらえることに、とてもわくわくしている」と自身の幼少時代を振りかえりながら完成を待ちわびる。
「こども本の森 神戸」の建物は安藤氏からの寄付となり(本の購入費や運営費は除く)、今月から建設に着手。2022年の春にオープン予定で、2023年の夏には歩道橋も完成して同年秋に公園全体の整備が完成する計画だ。
1875(明治8)年に居留外国人のレクリエーションの場として作られ、時代とともに姿と役割を変えながら愛されてきた「東遊園地」。SNS上には「いまのままでよい」という声もある一方、「神戸東遊園地に出来る図書館楽しみ」「みんなが集い想う整備が出来るといいね」と期待する声が上がっている。
取材・文・写真/合楽仁美
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