インフル流行前にコロナ対策の協力再確認、大阪府と医師会ら
大阪府による『新型コロナウイルス対策本部専門家会議』が10月2日、大阪府庁で実施。コロナが、インフルエンザと同時流行して医療機関がひっ迫する可能性を視野に、改めて府と医師会や病院協会らが協力関係を確認した。
現在、大阪の感染状況は第2波を終えて、日々報告される新規陽性者の数は100名以下。減少傾向も止まって、一定数を推移している状態だ。
そんななか今回の会議の大きな議題は、インフルエンザ流行期に向けた体制強化。インフルエンザは毎年11月下旬から12月上旬にかけて始まり、1月~2月にピークを迎える。
府では例年と比較し、インフルエンザとコロナが同時流行した場合のピーク時には、1日約22000件の検査が必要になると試算。
そうなると1日の陽性者が約1000人、濃厚接触者も約5000人発生する可能性があり、医療提供体制や保健所機能がひっ迫する懸念がある。
実際、1日最大250人の新規陽性者を出した第2波では、「8月の最盛期は大混乱になり、毎日保健師も職員も夜10時〜11時まで残り、何日か泊まり込みもあった。医師会、病院の先生方には、無理をして患者さんをとっていただき、本当に助けていただいた」と説明した大阪府保健所の森脇俊所長。
「これから先、この比ではない新たな患者が多数出たとき、どこまで保健所の業務が保つのか危惧している。業務の効率化は当然やっていく必要があるが、医師会の先生方にも人間関係でお願いしているところがいっぱいあり、何とか力をいただきながら冬を乗り越えたい」と心境を語った。
これに対し本会議の座長で大阪大学大学院の朝野和典教授は、「保健所業務の省略、外注、医師会や病院の方にもお願いしたいことなど、これらが明確に示せられれば、私たちも協力していきたい」と府の立場を説明。
「キャパオーバーになればできなくなるのは当たり前で、やれといわれても無理になる。何よりも患者数が少ないのが一番。ピークを減らすことが行政、大阪府の役目で、その結果として数が増えたときは協力する」と応え、協力関係にいることを伝えた。
今後、府では各機関と連携し、インフルエンザ流行前に検査体制の拡充や医療提供体制の確保、クラスター対策など保健所業務の重点化、大阪モデルの指標の再検討などの体制整備をおこなっていくという。
取材・文・写真/岡田由佳子
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