日本美術の正統な古典、天平美術の本質に迫る「天平礼賛」展

2020.10.21 06:15

重要文化財 執金剛神立像 快慶作 木造 鎌倉時代 13世紀 京都・金剛院

(写真7枚)

奈良時代に花開いた天平美術の本質を探る意欲的な特別展『天平礼賛』が「大阪市立美術館」(大阪市天王寺区)で、10月27日よりおこなわれる。

天平美術とは、奈良時代の最盛期である天平年間(西暦729~749)を中心に花開いた美術工芸品。この時代は聖武天皇で、正倉院宝物や、東大寺、唐招提寺、薬師寺東塔などの寺院とそこに収められた仏像、仏教美術などが知られる。その美は時代を超えて愛され、後世の人々に多大な影響を与えてきた。

花鳥文玳瑁螺鈿八角箱 木製漆塗 奈良時代 8世紀 大和文華館蔵

本展では、天平美術の名品、天平美術を生み出す源泉となった美術作品、天平美術に刺激を受けた作例、明治に至り日本の美の古典としての評価を得るに至った過程という4つの視点で展覧会を構成。

古代から近現代までの絵画、彫刻、工芸、書蹟など100件以上の作品が出展される。元号が令和に改まって2年目の今、日本の美の正統な古典たる天平美術を見つめ直すのはいかがだろう。期間は12月13日まで、料金は一般1500円。

文/小吹隆文(美術ライター)

特別展『天平礼賛』

期間:2020年10月27日(火)~12月13日(日)※月曜休(11/2・23開館、11/24休館)  
時間:9:30~17:00 ※入館は16:30まで 
会場:大阪市立美術館(大阪市天王寺区茶臼山町1-82 天王寺公園内)
料金:一般1500円、大高生1200円
電話:06-4301-7285(大阪市総合コールセンター)

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