「米国音楽の良心」ザ・バンドが映画に、名曲と語りで辿る
■ ディランやクラプトン、タジ・マハールら錚々たる大物たちが出演
監督を務めているのが、まだ20代後半のカナダの新鋭ドキュメンタリー作家であるダニエル・ロアーである点も、作品全体に思い切った風通しの良さと単なるロック・レジェンドの回顧だけでは終わらない強い物語性をもたらした大きな要因となっているように思える。
ただし、制作総指揮には、ザ・バンドが豪華ゲストを迎えて76年に行った解散コンサートを収めたロック・コンサート・ムービーの歴史的傑作『ラスト・ワルツ』を制作したマーティン・スコセッシが名を連ね、ディランはもちろんのこと、クラプトン、スプリングスティーン、タジ・マハール、取材嫌いで知られるヴァン・モリソンまでも含む錚々たる大物たちが出演に応じているのは、スコセッシが築いてきた音楽家たちとの人脈の力によるところが大きいだろう。
また、「音楽に合わせて画面を編集し、映画を進めるために音楽をうまく使うこと」という制作途中でのスコセッシの助言が功を奏し、ザ・バンドを代表する名曲中の名曲の数々が、エンドロールまで含めて映画のなかでとても効果的に挿入される点も特筆モノ。
曲によっては、別れた恋人への想いを綴ったグルーヴィーな定番チューンの歌詞が、映画の流れと相まってまったく違った意味合いを帯びて響いてくる箇所もあり、最後の最後まで唸らされる。
バンドという独特の才能の集合体が引き起こすマジック、固い絆、そしてそのバランスが崩れ始めた時の脆さなど・・・。アメリカーナの永遠の最高峰グループの軌跡を、この機会に振りかえってみてほしい。関西では10月30日から「シネ・リーブル梅田」(大阪市北区)、「アップリンク京都」(京都市中京区)ほかで上映される。
文/吉本秀純
映画『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』
10月30日(金)シネ・リーブル梅田、アップリンク京都
11月6日(金)シネ・リーブル神戸
監督:ダニエル・ロアー
製作総指揮:マーティン・スコセッシ、ロン・ハワード
原案:「ロビー・ロバートソン自伝 ザ・バンドの青春」(ロビー・ロバートソン著、奥田祐士訳、DU BOOKS刊)
2019年/カナダ、アメリカ
101分
配給:彩プロ
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