小栗旬、星野源の主演映画「二人の関係性を色濃く」
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大阪の新聞記者・阿久津英士を演じる小栗旬と、京都でテイラーを営む曽根俊也を演じる星野源。(C)2020 映画「罪の声」製作委員会
「原作のなかでも、今回は最高レベルの難易度」
──昨今ノリにノってる野木亜紀子さんの脚本ですが、あの長大な原作をまとめるにあたってはかなりディスカッションされたりしたでしょうね。
「はい、すごく大変でした。野木さんに『どうにかしてよ』と完全に投げていいような話ではないので、二人のプロデューサーと野木さんと僕とでかなり密度の濃い打合せを繰り返しましたし、ちょっと総力戦であたらないと答えが出てこない。そういう意味では本当に手強い原作でしたね。今まで小説・漫画も含めて原作ものをそれなりにやってはきましたけど、今回は最高レベルの難易度だなと思いながらやってました」
──映画を観たあとで原作を読みましたが、これは大変だったろうな、と。でも、力業でゴリ押しにねじ伏せたという感じはしない、そのエンタテインメント性がこの映画の強みだと思います。
「やっぱり、野木さんが説明するための台詞ではなくて、ちゃんと人間の会話に落としていくことがとても上手いので、事件の答えに向かっていく過程をただ見ていくよりも、人間を見ているうちに逆に事件のことが情報として入ってくるというような、そういう作りにはなっていると思いますね。ただ事件を説明されるのではなくて、阿久津や曽根を追いかけているうちに自然に事件のこともだんだん分かってくるという。そうしないといけないと思っていたんですよ」
──それにしても今回の映画で、モチーフの事件がこんなにコロコロと局面が変わっていたんだな、と改めて思いました。
「そうですよね。NHKで未解決事件を検証する非常に優れた番組があって(11年の『NHKスペシャル 未解決事件 File.01』)、その番組ではじめて、最新の声紋鑑定技術で脅迫に使われていた女性の声が15歳くらいの女の子の声だというのが分かるんですよ。それに基づいてこの原作は書かれているので、そういう意味ではこの事件、まだまだ解明されてない、手の届かない闇みたいなものがたくさんあるんです」
──阿久津と曽根が足を運んで集めていく膨大な証言そのものが真相を明らかにしていく構造です。いっぱい出てくる証言者一人一人に対してキャスティングも含め、監督の思い入れが強烈に感じられるんですよ。
「彼らは点でしか描けないんですよね。説明しなくてもそのシーンにその人が映っただけで、ある程度その人の歩んできた人生とか、生きている世界の空気というか、そういうものを後ろに感じさせなければいけない。だから結構キャスティングにはこだわりました。柔道家の役を桜木健一さんにお願いしたりとか、そういうところは僕の個人的な趣味というか思いも過分に入ってますけど(笑)」
──僕も柔道着を見たときには、「あっ」ってなりました(ちなみに1969~71年放送の大ヒットドラマ『柔道一直線』)。関西人の僕からしてみると、堀内正美さん、佐藤蛾次郎さん、佐川満男さん、塩見三省さん、正司照江さんなどなど、関西系の俳優さんを大挙使っておられるなと。
「やっぱり、基本的にこれは関西の話で、言葉が関西弁でもありますから。なるべくネイティブにしゃべれる人が良いなと思っていましたので、極力関西出身の方にやっていただければというのはありました。特に関西のお客さんは関西弁に厳しいじゃないですか(笑)」
──あははは、まったくその通り(笑)。
「全員が全員というわけではないですけど、そこのところは上手く配分されたんじゃないかと思っています。途中で大変重要な話をしてくれる高田聖子さんとか、やっぱりそこのあたり知らず知らずのうちに関西の方になりましたね」
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──星野源さんの京都弁も全然違和感はなかったですし。僕は京都出身ですが。
「あ、本人がすごく喜ぶと思います。僕も実際に撮影時も傍にいましたけど、本当に京都弁は難しいなと思いましたから。いわゆる関西弁はテレビでもすごく耳になじんでいて、普通に聞いているのですけど、その分京都の言葉との細かい違いが難しいんですよ」
──まあ、細かいことを言いますとね。
「京都弁指導は女性の方にやってもらったんですけど、結構厳しくて(笑)。『あ、そこ?』ってくらいの、ちょっとした♯・♭みたいなことも全部細かく直されてたので。でもそこは星野さん、音楽家なので耳がいいな、さすがだなと日々感心していました、僕は」
──いや、僕も観ながら、さすが源ちゃん耳がいいな、と思ってました(笑)。曽根のテーラーの佇まいも見覚えのある感じで。
「あれは知恩院の近くの華頂道っていうんですか? あそこら辺のただの駐車場に、セットの前面を全部持っていって建てこんで、1日撮影してバラしました」
──あ、店といえば、星野源さんと小栗旬さんがついに結びつく1点となるのが、橋本じゅんさんが板前やってる割烹ですよね。しかも女将が宮下順子さん(1970年代の日活ロマンポルノを代表する名女優)だという。なんて素晴らしいキャスティングだと思いましたよ。
「かなり僕の趣味が反映されているんですけど(笑)」
──やはり「土井裕泰の映画史」が伺い知れる(笑)。
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