朝ドラのモデル「松竹新喜劇の源流は演劇」寛美の孫・扇治郎

2020.12.27 06:45

祖父の喜劇役者・藤山寛美らが立ち上げた「松竹新喜劇」であっけらかんとした明るさを武器に、笑いと人情にあふれた世界を支えている俳優・藤山扇治郎

(写真8枚)

「10カ月ぶりに舞台に立てる喜び」(扇治郎)

──客席の入りを半分に抑えるなど、まだまだ新型コロナウイルスの影を強く感じるなかでの公演です。今回特に大事にしたい、お見せしたいと思うモノはありますか?

僕自身はやっぱり、10カ月ぶりに舞台に立てる喜びを、すごく感じています。でも何よりも、何にでも感謝しないといけない、仕事ができるのが当たり前と思っちゃいけないと。先日、(劇団の)若手公演を観たときに本当に実感したんですけど、舞台は役者だけじゃなくて、スタッフや劇場の清掃の方まで、いろんな力に支えられてできてるんだなって。みなさんのおかげで、こんな状況でも舞台に立てるということに感謝しながら、お客さまには少しでも憂鬱を忘れていただけるようにがんばろうと、前以上に思うようになりました。

──今は配信でも舞台が観られるようになりましたが、特に松竹新喜劇のようなコメディは、やっぱり劇場で観たら「あ、全然違う」って思いますよね。

ねえ、やっぱり生ですよね? 配信はこれからの時代、すごく大事だと思いますよ。でも画面のなかじゃなくて、同じ空間に役者とお客さまがいることが、とっても大切なんです。特に新喜劇の場合、稽古場で誰も笑わないから(笑)、本番でお客さんの反応を直に感じないと、わからないことが多いので。

「お客さんの反応を直に感じないと、わからないことが多い」と藤山扇治郎
「お客さんの反応を直に感じないと、わからないことが多い」と藤山扇治郎

──コメディの舞台は「あ、ここで笑うんだ!」「ここ思ったよりウケへんなあ」と感じ取って修正することで、完成度がどんどん上がるって言いますしね。

喜劇ってやっぱり「俄(にわか)」だと思うんですよ。そのときと場合によって「何を言ったら面白いかな?」と判断して、台本に書かれてないことをやって、ポッと笑いを生んだりする。だからよく「毎日同じ芝居をするな」と言われるんです。それはやっぱり生の舞台だからできることだし、逆にお客さまにも何かを感じとってもらえるようにしたいですね。それで、「大変な時期だけど、来てよかったな」と思いながら帰っていただけたら、一番嬉しいです。


『初笑い!松竹新喜劇 新春お年玉公演』は、2021年1月1日から7日まで「南座」(京都市東山区)にて上演。チケットは1等席6000円、2等席3000円、3等席2000円で発売中。

『初笑い!松竹新喜劇 新春お年玉公演』

日程:2021年1月1日(祝・金)〜7日(木)
会場:南座(京都市東山区四条大橋東詰)
料金:一等席6000円、二等席3000円、三等席2000円
電話:0570-000-489

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