アレキサンドロスの10周年放送が決定、夢中にさせる魅力

2020.12.30 17:15

[Alexandros](左から庄村聡泰、磯部寛之、川上洋平、白井眞輝)

(写真1枚)

2020年にデビュー10周年を迎えたロックバンド・[Alexandros](アレキサンドロス)の特集番組が、2021年1月にWOWOWで放送される。

2011年に現メンバーでの活動を開始。途中、改名を経ながらも着実にファンを広げ、いまだ神曲として愛されるロックアンセム『ワタリドリ』で、若者のカリスマへと上り詰めた彼ら。今年は初のベスト盤発売や配信ライブ、ボーカル/ギター・川上洋平は東京スカパラダイスオーケストラとのコラボ曲のリリースなど、コロナ禍でもさまざまなニュースを届けてきた。

ほぼ全曲の作詞作曲を手掛ける川上は、9歳から15歳という多感な時期をシリアで過ごしたバイリンガル。だからだろうか、UKギターロックやUSオルタナをバックボーンにしつつも、そこから逸脱してゆくようなアグレッシヴで疾走感あふれるバンドサウンド然り、英語と日本語をミックスしたメロウでエッジの効いたボーカル然り、これまでの「邦楽ロック」とは次元を異にするセンスとフィジカルを感じさせる。

今年7月配信リリースされた『月色ホライズン』のMVは、キラキラした浮遊感あふれるサウンドとショートムーヴィー仕立ての映像が見事にシンクロ。SNSで「エモい」と話題を呼んだ。

そんなふうに時代と共鳴しながらも決してブレない芯の強さは、下積みの長い10年選手のバンドならではのもの。映画やCMなどタイアップ曲の多さも彼らの特筆すべき個性だが、あくまで[Alexandros]らしさを貫きつつ、コマーシャリズムにもさらりと寄り添ってみせる、しなやかなタフネス。見ている者をワクワクさせるロックバンドとしての色気とポップネスこそ、若者はもちろん、人生/音楽経験の豊かな大人をも夢中にさせる[Alexandros]の魅力なのだ。

今回の特集はバンドの11年目の幕開けにふさわしいスペシャルなラインアップ。1月2日には、2015年に東京「代々木公園」で開催され、約1万人の観客が駆けつけた伝説のフリーライブを、1月17日には、メンバーそれぞれの公私に密着したWOWOWオリジナルのドキュメンタリーをオンエア。

そして1月20日には、同日に「国立代々木競技場第一体育館」で開催されるアニバーサリーライブの模様を生中継。この日は、ドラムス・庄村聡泰の局所性ジストニアによる勇退ラストライブだけに、ファンならずとも必見の歴史に残る一夜となることは間違いない。

文/井口啓子

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