今注目の若手俳優、倉 悠貴「高校時代はなんとなく生きている感じ」

2021.1.24 17:15

1999年生まれで大阪府出身。2019年に『ドラマ「トレ ース~科捜研の男~」』(CX)でデビューした倉 悠貴

(写真13枚)

「クールなイメージを持たれることが多いのですが」

──たくさん印象深いシーンがありますが、個人的にはリリー・フランキーさんとのシーンが自然で、温かみがあって好きでした。

リリーさんは、よくテレビでも拝見しているので緊張しました。でも、本当に普通のおじいちゃんみたいで、縁側で話をするシーンも不思議と緊張せず、むしろ肩の力が抜けるというか、自然体でその場にいることができるという感じでした。

最初にお話ししたパプリカのかき揚げ丼を食べるシーンが上手くできないときも、リリーさんと母親役の杉野希妃さんが、何にも言わずに見守ってくださっていて、それがつらくて泣いてしまって。

どうしたらいいんだろうと、翔の気持ちがぐちゃぐちゃになっているシーンなんですが、そこにはいつもと変わらない家族の姿がある。それって、すごい幸せなことだなぁ、温かいなぁと思いました。

『夏、至るころ』は、友だちでも家族でも、おばあちゃんと孫でも、だれと一緒に見ても何か心に来るものがあると思います。

主演の倉悠貴と、祖父役のリリー・フランキー。(C)2020『夏、至るころ』製作委員会

──初めて主演を務められて、これまでと意識の変化などはありますか?

自分がメインになって作品を作れるって、なかなか出来ない経験ですよね。まだ役者としては2、3作品しか撮ったことがないので、今までは演じることへの抵抗感や不自然さがありました。でも、この作品と役に向き合うことで抵抗感や緊張はそぎ落とされていきました。

──今後、役者としてどんな役を演じたいなど、理想や目標はありますか?

目標の役者像みたいなものはないんです。人間はひとりひとり違うし、だれかを目標にするとその人に寄ってしまうので、特に考えていないんです。自分がどんな作品に出たいというより、今いただける仕事に誠実に向き合うことが大事かなと思っています。・・・良いこと言ったら恥ずかしくなっちゃった!

──最後にプライベートなことも少し伺わせてください。趣味やハマっているものはありますか?

サウナが好きです。コロナ禍なので最近は行けてないですが、サウナで整えてますね。

梅田スカイビル「空中庭園展望台」の屋上から景色をゆっくりと堪能した倉 悠貴

──予想外の趣味でした! サウナに行くようになったきっかけは?

とても悲しいことがあったときに先輩が連れて行ってくれて、それで好きになりました。汗と涙を流して、身も心もスッキリ浄化されました。

そして、お酒。お酒は人と関わるツールですし、お酒の場がすごく好きですね。オンラインで飲み会をしたりしますし、料理も好きなのでおつまみも作ります。僕のポテトサラダ、めっちゃうまいんです(笑)。

友達が「短歌や詩って面白いで」と薦めてくれたこともあったのがきっかけで、最近では俵万智さんの詩集を読んだりしています。

──趣味もそうですが、お話してみて良い意味でのギャップを感じました。

よく言われます。クールなイメージを持たれることが多いのですが、気さくなんですよ! 翔と似た部分や、暗い部分も持ち合わせてはいるんですけど、基本は明るい人間です。

映画『夏、至るころ』

女優の池田エライザが原案・初監督を務めた青春映画。自然豊かな福岡県田川市を舞台に、高校3年生の翔(倉悠貴)と親友の泰我(石内呂依)が初めて自分の人生と向き合い、葛藤しながらそれぞれの一歩を選び取るまでを描く。

『夏、至るころ』

原案・監督:池田エライザ
脚本:下田悠子
出演:倉 悠貴、石内呂依、さいとうなり、安部賢一、杉野希妃、後藤成貴、大塚まさじ、高良健吾、リリー・フランキー、原日出子
配給:キネマ旬報DD 映画 24 区

関西の映画館:シネ・リーブル梅田(1月29日〜)、元町映画館(2月6日〜)、アップリンク京都(2月26日〜)順次全国公開

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