不滅のギタリスト・布袋寅泰、キャリア40周年のSP番組

2021.2.28 19:15

布袋寅泰

(写真1枚)

ミュージシャン・布袋寅泰のキャリア40周年を記念したスペシャル番組が、3月28日にWOWOWで放送される。

1981年にBOOWYのギタリストとしてデビューした布袋。187cmの長身でステップを踏みながら「布袋モデル」と呼ばれる白黒の幾何学模様ギターを振りかざし、弧を描くように弾く──日本人離れしたダイナミックなステージアクションと独創的なプレイスタイルでティーンエイジャーを熱狂させたのは周知の通り。

ギタリストでありながら、ボーカリストと双璧をなすカリスマ性でステージを征した人は、日本のロック史において過去現在まで彼以外にいないのではないだろうか 。

BOOWY解散後は海外活動を視野に入れ、全編英語詞で自ら歌唱するソロプロジェクト『GUITARHYTHM』を始動し、さらに吉川晃司とCOMPLEXを結成。日本初のギターとボーカルのツートップユニットとして、後のデジタルロックやDTM(デスクトップミュージック)にも通じる近未来的ロックンロールを提示した。

その一方で、現妻である今井美樹をはじめ、多くのアーティストに良質のジャズ~ポップスナンバーを提供。J−POPプロデューサーとしても才能を発揮し、「布袋=ロック」のイメージを鮮やかに覆してみせた。

1990年代には海外のアーティストと交流を深め、なかでもハリウッドの映画音楽家マイケル・ケイメンとの親交は、『SF サムライフィクション』『新・仁義なき戦い』『KT』といった一連の映画音楽へと繋がり、海外進出の足掛けとなったクエンティン・タランティーノ監督『キル・ビル』のテーマ『BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY』に結実する。

インストルメンタルにも関わらず、思わず一緒に歌いたくなる、この曲の「圧倒的なキャッチーさ」こそ、布袋サウンドの真骨頂にほかならない。そんな彼の名フレーズをメドレー形式にしたインストルメンタル曲『Greatest Guitar Medley』が「日本武道館」にておこなわれた30周年記念ライブで披露された際には、布袋のギターをバックにオーディエンスがボーカル部分を丸々2曲合唱する一幕もあり。ファンの間では布袋ギターの破格の存在感を物語る「伝説」となっている。

BOOWY、COMPLEX、GUITARHYTHM、そして50歳を過ぎてからの海外デビューなど・・・常に「最新のHOTEIが最高のHOTEI」をモットーに、安定したポジションを投げ捨て、新しいものに挑戦してきた彼。

コロナ禍の2020年は、国内外のアーティストとのオンラインセッションによるコラボレーションアルバム『Soul to Soul』をリリース。2021年1月には活動40周年記念ライブを無観客生配信&映画館でのライブビューイングという形でおこなうなど、リアルでのライブ活動がままならない状況のなか、音楽のニューノーマルを開拓してみせた。 

今回のスペシャル番組では、そんな彼のキャリアを総括する数々の伝説的ライブをオンエア。ファンはもちろん、それ以外の人も、この機会に単なるミュージシャンを超えたパイオニア・布袋寅泰を再発見して欲しい。放送は3月28日・夜7時から。

文/井口啓子

※BOOWYの2番目のOは「O」に斜線

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