HEP HALLが一時休館「間違いなくひとつの区切りに」

2021.3.17 06:15

リニューアルにより2021年4月から一時休館する「HEP HALL」と現在の劇場支配人・星川大輔さん(3月11日・大阪市北区)

(写真3枚)

赤い観覧車がランドマークの商業施設「HEP FIVE」(大阪市北区)。その最上階にある劇場「HEP HALL」がリニューアルのため2021年4月から一時休館、その歴史を振りかえるイベントが3月に開催される。

劇団☆新感線や南河内万歳一座などの人気劇団を育てた伝説の小劇場「オレンジルーム」の後進として、1998年にオープンした同ホール。

2005年からは、古田新太ら多くの人気俳優や劇団のマネージメントを手掛ける「リコモーション」(本社:大阪市都島区、代表:高橋典子)が運営するように。その後も地元劇団の公演はもちろん、お笑いライブや展覧会など、さまざまなイベントの会場として利用された。

なかでも、今や2.5次元ミュージカルの世界をリードする演出家のウォーリー木下や末満健一など、多くの演劇人や劇団がこの「HEP HALL」で成長。演劇以外でも、野性爆弾・くっきー! 初のアートイベントや、SCRAPが主催する『リアル脱出ゲーム』創生期の会場になるなど、時代を先取りした企画もおこなってきた。

しかし、「リコモーション」の契約は今月末で終了、リニューアル後は別組織による運営が決定。「劇場がなくなるわけではありませんが、ひとつの区切りになることは間違いない。この機会に、思い出を振りかえるのもいいのではないかと思いました」と、劇場支配人の星川大輔さんは語る。

まずは3月中旬から、劇場公式サイト内に特設ページを設置。HEPを利用したアーティストや観客たちなど、約100名のコメントが掲載される。

また3月23日~28日には、これまで劇場で開催された公演・イベントの宣伝チラシ600~700枚を展示する『HEP HALLのチラシ展 2005-2021』を開催。

これにあわせて27日には、マイム俳優・いいむろなおきと一緒に観る、本人のパフォーマンスをおさめた舞台映像の上映会も予定している。

「演劇を観たことがない人の入口になって、日常に溶け込むようになったらいいなという思いで、ずっとやっていました。いただいたコメントでも『初めて芝居を観たのはHEP』という声があり、その役目を果たせたのかな」と星川さん。

展覧会は昼11時から夜8時まで(27日のみ夕方6時半まで)で、入場は無料。上映会は27日・夜7時からで、チケットは当日券のみ1000円。

取材・文/吉永美和子

『HEP HALLのチラシ展 2005-2021』

日程:2021年3月23日(火)〜28日(日)
会場:HEP HALL(大阪市北区角田町5ー15 HEP FIVE 8F)
料金:入場無料
電話:06-6366-3636

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