松坂桃李、主演の重圧明かす「いっぱいくるから吐きそう」

2021.3.19 19:15

映画『孤狼の血 LEVEL2』の主演を務める松坂桃李 (C)2021 「孤狼の血 LEVEL2」製作委員会

(写真6枚)

8月20日に公開される松坂桃李主演の映画『孤狼の血 LEVEL2』。同作は、2018年の大ヒット映画の続編で、権力を用いて暴力組織を取り仕切る刑事・日岡(松坂)が、出所したばかりの暴力団の組長・上林(鈴木亮平)によって歯車を狂わされていく物語だ。

2020年10月、広島・呉市で撮影真っ只中だった同作の撮影現場に潜入。そこで白石和彌監督、松坂桃李に今作について話を訊いた。

現代版『仁義なき戦い』、と打ち出された前作。2作目では、原爆スラムなど広島のヤクザたちのルーツも映し出されるそうで、白石監督は「『仁義なき戦い』シリーズはなぜ、1作目の集団抗争劇から2作目でパーソナルなものになったのか。ヤクザを掘り下げて描くと何に当たるのか、その問題は入れざるを得なかった。前作は『タブーのない映画だ』と言われましたが、違うフェーズになっていると思います」と語る。

そして、「今回はもともと、『トレーニング・デイ』(2001年)のように警察色をより濃くした話になっていました。でも撮影を通して、自分の意図していないところでヤクザの新しい登場人物たちが活躍しています。むしろ、そちらの印象が強まっているかもしれません」と、鈴木亮平扮する上林らのキャラが立っているという。

主演の松坂桃李のほか、鈴木亮平、中村梅雀が参加する撮影風景 (C)2021 「孤狼の血 LEVEL2」製作委員会

そんな役者陣を奮起させているのが、主演・松坂の存在感だ。白石監督も「日岡の『ワシが蹴つまずくんを待ってる』という台詞があるのですが、ほかの俳優たちがまさに『松坂桃李、ナンボのもんじゃい』という風に挑んでいて、桃李くんの百人組手みたいになっている」と明かす。

松坂が白石作品に出演するのはこれで3作品目。監督自身も松坂に強い思い入れがあるようで、「僕も『新聞記者』(2019年)の桃李くんが素晴らしくて『悔しいなぁ!』と思ったから、もっと彼の良さを引き出したい」と意気込んでいるという。そんな監督や共演者たちに松坂は、「いっぱい(向かって)くるから吐きそう」と思わず苦笑する。

続編となり役所広司から主演のバトンを受けた松坂は、「呉市の方々の期待も大きく、(前作主演の)役所広司さんは、こういうことを陰で全部受け止めながら平気な顔で現場にいたと分かり、改めて『あの人、すげえな』って」と、主役の重みを実感したことを明かした。

映画『孤狼の血 LEVEL2』は8月20日より全国公開される。(C)2021 「孤狼の血 LEVEL2」製作委員会

取材・文/田辺ユウキ

映画『孤狼の血 LEVEL2』

2021年8月20日(金)公開予定
監督:白石和彌
出演:松坂桃李、鈴木亮平、村上虹郎、西野七瀬、中村梅雀、斎藤 工、滝藤賢一、中村獅童、吉田鋼太郎
配給:東映

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