気鋭の監督・横浜聡子、初めて描く家族愛は「母親にも伝わってました」
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主人公・いとを演じた駒井蓮(左)、横浜聡子監督
横浜監督「いついとに笑ってもらおうかずっと悩んでいた」
──その一方で、メイドカフェのファミリーにも、それぞれの役割が明確に振られてて、アンサンブルキャストとしてとても面白い。リーダー格、というか教育係の黒川芽以さんは東京の方ですよね?
横浜:はい、そうですね。いちばん方言指導が大変だったと思います。なかなかあんな風に喋れるようになる役者さんはいないですけど。絶対音感みたいなのをお持ちで、音符にして津軽弁を覚えたって仰っていました。青森の観客さんも違和感がぜんぜんなかったと。
シナリオは結構前に出来ていたので、どなたにやってもらうかをずっと考えていていたときに、『ひとりキャンプで食って寝る』ってドラマでご一緒してまして。まだ若いんですけど、何十年も生きてるみたいに人生経験が豊かで、背景が見える不思議な女優さんだなと思って。
──あ、そうでしたね。ゲスト回を監督が演出してられた。
横浜:今回の役もいろんな傷を負った女性だったし、姉御肌っていうのもあって黒川さんにお願いしたんです。店長の中島歩さんは、こっちが想像するのとは全く違うペースというか時間の作り方をいつも現場に持ち込まれる人で、あのリズム感がメイドカフェにあったらちょっと面白いなと思ってお願いしました。
駒井:それぞれいろんな刺激をくださるんですよ。すっごい楽しかったです。それぞれのマイペースさが混ざり合って面白い場所だなと思いました。
──そんなマイペースで独自のリズムで生きてる面々が、みんなで海に行くシーンで、より結束が固まる。それぞれの事情をそれぞれが理解するという、良いシーンになってますよね。
駒井:本当に撮影の節々を思い出すだけで、ブワッと来ますもん(笑)。みなさん本当に素敵だったので。
横浜:撮影初日がメイドカフェだったんですけれども、みんな仲が良いというか、なんか輪が出来てたね。
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──もう1人、いとの親友役としてりんご娘のジョナゴールドちゃんが出てきますけれども、彼女の家で一夜を過ごすシーンもこの映画のキーになってます。
横浜:撮影最終日でしたね。ジョナゴールドさんって、お芝居そんなに沢山経験があるわけじゃなくって。でもあの映画のなかで1番台詞がある長いシーンで。どう来るかなってちょっと未知数なところがあったんですけれども、でもあそこの2人の芝居が良ければ、あとは何も要らないというか。それぐらいの意気込みだったので、オーソドックスにリハーサルを何回もやって固まったところを撮ったんですけどね。
──撮り方はシンプルだけど、あの2人だけが喋っていくうち、いとが三味線の楽しさとか喜びを再認識するシーンだと思うんですよ。いとが素になってはしゃいで、フッと抜けて、初めて彼女が本当の笑顔を見せる。
横浜:いついとに笑ってもらおうかずっと悩んでたんです。笑うときもあるんだけど、ちょっと違う種類の笑いで。リハーサルで(駒井)蓮さんもすごい笑顔見せたから、「わ! これで大丈夫だ」と思って。青春といえば「恋」だと私は思うんですけど、この映画にはそれが一切ないので。同性だけれども、お互いが片思いしてる関係、憧れてるんだけど思いがなかなか届かない、そういう微妙なニュアンスの2人に見えたら良いなと思いました。
──電車での口パク「へばね(津軽弁で『またね』の意味)」のガール・ミーツ・ガールから始まって、イヤホンで彼女から聴かせてもらった「人間椅子」のフレーズを三味線で弾いてみる。シスターフッドにとても近い感じがありますよね。あと、いとが無為な時間を過ごす図書館のシーンで、なんと読んでるのが永山則夫(編集部注:元死刑囚で小説家)という(笑)。
横浜:森の板柳にある図書館を撮影したんですけど、そこの本棚には永山則夫の本がずらっとコーナーになっていて。1人でロケハン行ったときにそれを見て「やっぱり板柳は永山則夫なんだ」と思って、いとにも読ませました(板柳は永山の母の故郷。幼少期をそこで過ごした)。
──『なぜか、海』って書名がちらっ、と。
横浜:細かいところまでご覧になっていただいてますね(笑)。あんまり目が行かないところなので、気付く人だけ気付けばいいかなという感じでした。うれしいです、ありがとうございます(笑)。
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